「がんばらなければ結果は出ない」は思い込み!? 楽しみながら結果を出そう/がんばらない戦略①

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公開日:2021/4/15


がんばらない戦略』から冒頭部分を全7回連載でお届けします。今回は第1回です。

がむしゃらに働く人生から脱却し本当に必要な努力に注力できる自分に変われる新時代の人生戦略の指南書が登場! これからの時代に大切なのは「がんばらない努力」を身につけること。子供の頃からやる気だけは人一倍だったのに、何をやっても結果が出なかった著者。しかし、ある日を境に人生が大きく変わった――。

がんばらない戦略
『がんばらない戦略 99%のムダな努力を捨てて、大切な1%に集中する方法』(川下和彦、たむらようこ/アスコム)

はじめに

 私の人生は、子どもの頃からずーーーーーっと、がんばってるのに結果が出せない人生でした。勉強もダメ。運動もダメ。仕事もダメ。全部中途半端。ところが皮肉なことに、なぜか昔からやる気だけは人一倍旺盛だったので、人並み以上にあれこれがんばってきたのですが、結果はことごとく失敗。そのたびに、ポンコツな自分に打ちひしがれてきました。

 そんな私の生活は、イケてるはずがありません。やる気とは裏腹に、生活はボロボロ。周りに流されるまま飲み会に参加し、財布はスカスカ。暴飲暴食で、カラダはプヨプヨ。体形を隠すために、着るものはダサダサ。持ち前のやる気で「今度こそは!」とがんばってみるものの、何度やっても結果は同じ。いつしか心の奥底で、「自分はいくらがんばっても結果が出せない人間なんだ」というレッテルを貼りかけていました。

 ところが、ある日を境に人生が大きく変わりはじめたのです。偶然試した方法でちょっとした手応えを覚え、それを繰り返しているうちに、あれよあれよと自分が変わっていくのがわかりました。しかも、いままでと違って、ほとんどがんばっていないのに……。

 最初は、節約にチャレンジ。赤字の状態からスタートし、月々一万円以上の貯金に成功。気をよくして次に取り組んだダイエットでは、約20㎏の減量を達成し、その後三年以上たった現在も体形をキープ。少しずつカラダが引き締まってくると、今度は身だしなみの改善に取り組みました。仕事に同じ方法を適用してからは、プレゼンに連勝。重要なプロジェクトでもしっかり成果を出せるようになり、会社の事業は拡大。現在も快進撃を続けています。

 ただ、この喜びを分かち合いたいと思って周りの人に話すと、「がんばらないで結果が出るはずがない」「それは、あなただからできたんだ」と言って、なかなか信じてもらえないのです。それも、無理はありません。私たちは物心ついた頃から、親、先生、上司をはじめ、四方八方から「結果を出すために、がんばりなさい!」と、何千回、何万回も刷り込まれてきたのですから。

 そこで、私は一人でも多くの人に間違った思い込みから抜け出し、結果が出せる喜びを知ってもらうためにどうすればよいか、思案に思案を重ねました。しかし、私自身がそうであったように、現実の世界で浴びるように「がんばれ!」と言われてきて、こり固まった常識を変えるのはそう簡単ではありません。それなら、みなさんの手をとって少し日常から離れたところへお連れし、いつもと違う景色を見ていただきたいと考えました。

 

 そして、二〇二〇年、期せずしてコロナ禍により私たちの生活は一変しました。

 通勤や会議に代表されるように、これまで当たり前だと思い込んできた生活様式が激変したことで、少し立ち止まってこれまでのがんばり方を見直されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 本書は二〇一八年に発刊した書籍『ざんねんな努力』を、新しい時代、新しい生き方・働き方の武器にしてほしいという思いを込め、「がんばらない戦略」というタイトルに変更し、加筆・修正のうえ再編集をしたものです。

 みなさんも物語から得た教訓を自分の働き方戦略に応用することができれば、必ず結果を出すことができるでしょう。もしうまくいかないときは、繰り返し読んで、少しずつやり方を修正してみてください。そうすれば、仕事はもちろん、ダイエット、家事、勉強、そして恋ですら、きっとうまくいくはずです。

 本書を手にとってくださったみなさんが、楽しみながら結果が出せるようになることを心から願っています。

川下和彦
二〇二〇年、横浜にて

<第2回に続く>