ついに“ジブリめし”が本に! スタジオジブリの作品から生まれた初の料理絵本『子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 アーヤと魔女』
公開日:2021/5/1
スタジオジブリ作品では日常が丹念に描かれるが、その中でもとくに記憶に残るのが、料理や食事シーン。おいしそうな食べものと、それを食べる人たちの表情や仕草が細やかに表現され、観ていると不思議とおなかがすいてくる。“ジブリめし”と称して、再現して楽しむ人があとをたたないほど、食のシーンが魅力的だ。
そんな“ジブリめし”が、ついに本になった。『子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 アーヤと魔女』(主婦の友社)は、スタジオジブリが監修したはじめての料理絵本。最新作『アーヤと魔女』(監督:宮崎吾朗)からヒントを得た料理の数々が紹介されている。
『アーヤと魔女』気分で、親子クッキング♪
『子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 アーヤと魔女』は、料理家・祐成二葉さんが料理を担当。アーヤにとって特別な料理として描かれている「シェパーズパイ」をはじめ、「アフタヌーンティーのカップケーキ」や「フィッシュアンドチップス」など、作品に出てくる料理の作り方を写真つきでわかりやすく紹介している。
「小学生が、おうちの人と一緒につくって楽しめるように、料理の作り方はなるべく簡単にした」という祐成さん。スーパーなどで手に入る身近な材料でチャレンジできるのも魅力だ。
驚いたのは、「魔女の家のクリスマスディナー」で紹介されているクリスマスプディング。なんと耳をとった食パンで作るという。作ってみたが、甘さ控えめで、本当においしかった。これは、クリスマスでなくても作りたい、季節を問わず食べたくなる味だ。
紹介する料理の中には「油で揚げる」「野菜をこまかく切る」など、子どもには難易度の高いプロセスもあるが、各料理には難易度レベルマークもついているので、作りやすいものからチャレンジできるという配慮も嬉しい。
奇想天外、オリジナルレシピが楽しい♪
作品世界からイメージしたオリジナルレシピも楽しい。たとえば、魔法を使うシーンに登場するミミズ。作品中、ぐねぐねと絡み合って動く色鮮やかな大量のミミズは迫力があったが、本では、なんと焼き菓子のプレッツェル(「ぐねぐねミミズのプレッツェル」)に! こんなかわいいミミズなら、毎日でも食べたくなる。他にも「ベラ・ヤーガのじゅもんグミ」、「アーヤとトーマスの魔法のジェルドリンク」など、わくわくするレシピが登場する。
「料理の腕を上げるのは、魔法使いになる近道かもしれません」(宮崎吾朗監督)。本書では、監督から子どもたちへのメッセージが寄せられている。さらにアーヤと魔女ベラ・ヤーガと黒ネコ・トーマスがキッチンでポーズをとる表紙絵は、宮崎吾朗監督がこの本のために特別に描き下ろした一枚。スペシャルな本になっている。
3DCGのアニメ画像を豊富に使い、まるで『アーヤと魔女』の世界に遊びにきたようなワクワク感も感じることができる『子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 アーヤと魔女』。料理の作り方だけでなく、『アーヤと魔女』の物語も楽しめるのが、隠された本の魅力でもある。