「エクセル父さん」「PDCA父さん」はダメ!? 子どものやる気をアップさせ中学受験を成功させる「父親の役割」
公開日:2021/5/12
中学受験ブームが続いている。同時に、サポートに熱心な父親も増えてきているという。中学受験には、高校・大学受験と違った中学受験ならではのサポートの仕方があるとされる。さらに、母親とは違った役割が父親には求められるようだ。
40年以上にわたって難関中学・高校受験指導に携わり、最難関校に2500人以上を合格させてきた「中学受験のカリスマ」と呼ばれる著者らの『中学受験! 合格する子のお父さん、受からない子のお父さん』(西村則康、高野健一/ウェッジ)によると、5年ほど前から中学受験に積極的な父親が増えてきた。そんな中で見えてきたのは、「子どもが合格するお父さん」と「子どもが合格しないお父さん」の違いだ。
まずは、「子どもが合格しないお父さん」の特徴を紹介する。あなたは、これに当てはまらないだろうか?
・エクセルに子どもの1日の勉強スケジュールを5分刻みで作って子どもに守らせる
・PDCAサイクルを取り入れて課題改善・効率化を誘導する
本書によると、中学受験に熱心な父親の中には、仕事で成功している人が少なくない。そのため、子どものサポートにも、このように仕事のクセが出てしまう。
しかし、子どもの気持ちを考慮せずに父親ばかりが前のめりになってこういう手法を取り入れると、かえって子どものやる気はそがれ、受験に失敗しやすいという。
また、「子どもが合格しないお父さん」の特徴で挙げられるのは、次のような例。
・中学受験で成功した自分のやり方を参考にさせたがる
本書によれば、中学受験にはその時代の中学受験ならではのやり方があり、過去のやり方はあまり参考にならないどころか、子どもの合格が遠のいてしまうことすらあるようだ。
では、「子どもが合格するお父さん」の特徴は、どうだろうか。
・勉強をしない子どもに母親が怒り心頭なとき、子ども部屋に行って、こんな発言をする
「これだったら、できるだろ? それ以外の発展問題が宿題に出ても、お父さんは見ないことにしてあげるから、まずは基礎問題をちゃんとやろうな」
やるべきことを減らし、子どもの「やってみよう」という行動を引き出すとともに、母子のバトルを回避させる
・子どもに様々な体験をさせつつ、父親自身がおもしろがる。例えば、博物館に連れて行った際は、父親が「へぇ〜、これはおもしろいな〜。よく考えて作られているな」「なるほど〜、そういうことなのか~」などと感心し、子どもの興味を引き出す
・世の中について子どもに教えてあげる。実社会で活躍している父親が、社会人として得てきた知識や経験を伝える
本書には、この他にも父親だからこそできることが豊富に紹介されている。漫画や図表を用いての解説ページもあり、わかりやすい。これから我が子の中学受験成功を本気で目指す、または考えている父親に手に取ってもらいたい1冊だ。
文=ルートつつみ
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