「やりたいこと」は突然見つかる場合も。与えられた場所で懸命に働くのが大事な理由/Tシャツ起業家③

ビジネス

公開日:2021/5/18


Tシャツ起業家』から厳選して全6回連載でお届けします。今回は第3回です。

多くの人から支持されている産直ECサイト「食べチョク」。ユーザーと生産者が直接つながることで見えてくる「豊かな食の未来」を示しながら、一次産業の変革に挑み、自身をアップデートし続ける起業家の思考法に迫る初の著書です。

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Tシャツ起業家
『365日 #Tシャツ起業家 「食べチョク」で食を豊かにする農家の娘』(秋元里奈/KADOKAWA)

Q

「やりたいことを仕事にしよう」「好きなことをして生きていこう」という風潮が苦手です。
自分のように、やりたいことではないけれど与えられた仕事を一生懸命こなしている人間は、やはりダメなのでしょうか?

A

 いいえ、決してそんなことはありません。与えられたことのなかに「やりがい」を見出すのも、ひとつの才能です。モチベーションをコントロールして「夢中になれる力」ともいえます。本当に嫌で嫌で仕方ないのであれば離れた方がいいと思いますが、嫌ではなく、初めは「やりたいこと」ではなかったものの、次第に面白さを見いだせるようになったのであれば、それは素晴らしいことです。

 ただ、「やりたいこと」というのは、突然見つかったりもします。わたし自身もそうでしたし。それが見つかったときに重要なのは、周りの人がサポートしてくれるかどうか。そのためにも、日々の仕事のなかでコツコツ実績を重ね、周囲の信頼を集めておきましょう。

 わたしもDeNAにいた3年半は、「やりたいこと」をやれていない状態でした。仕事は面白かったですし、いつも全力投球していましたが、「これがわたしのやりたいことではない……」というコンプレックスを抱えていたのです。でも、それは「仕事を頑張らないこと」の言い訳にはなりません。与えられたことには責任を持ち、まっとうする。それは当然のこと。いまとなってみれば、DeNAでがむしゃらに働いていた3年半は、準備期間だったとも思います。そこで頑張っていたからこそ、「やりたいこと」が見つかったとき、応援してくれる人もいたのです。

 繰り返しますが、「やりたいことが見つからない」のは悪いことではありません。与えられた場所で懸命に働く。それ自体、立派なスキルなので、「やりたいこと」をしている人たちと自分とを比べて落ち込む必要はありません。

<第4回に続く>

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