起業したいけど怖い… そんな人にお勧めなのが「週末起業」。自分の特性を正しく把握することが重要/Tシャツ起業家④
公開日:2021/5/19
『Tシャツ起業家』から厳選して全6回連載でお届けします。今回は第4回です。
多くの人から支持されている産直ECサイト「食べチョク」。ユーザーと生産者が直接つながることで見えてくる「豊かな食の未来」を示しながら、一次産業の変革に挑み、自身をアップデートし続ける起業家の思考法に迫る初の著書です。
![Tシャツ起業家](https://develop.ddnavi.com/uploads/2021/05/tshirtkigyoka.jpg)
Q
起業に興味はあるものの、どこか怖がっている自分がいます。
そういう人間は起業しない方がいいのでしょうか?
A
起業することに恐れを抱くのは、当然のことです。それで成功するかもわかりませんし、突然ご飯が食べられなくなってしまうかもしれない。わたしたちは生活のためにお金を稼いでいかなければいけないので、安定とは真逆にある起業を怖がるのはふつうの感覚です。だからこそ、わたしは簡単に起業することを勧めたりはしていません。
でも、「やりたいこと、好きなこと」を仕事にして、いまはとても毎日が充実しているので、少しでも起業に興味がある人たちにはやはりチャレンジしてみてほしいという気持ちもあります。そこで勧めたいのが「週末起業」です。第2章の冒頭に書いている通り、私自身は不器用だったので結果的に途中で思い切って起業してしまいましたが、週末起業にチャレンジしなければ起業には至っていなかったと思います。私の知人でも、バランスよく時間を使える人は週末起業である程度事業を形にしてから起業している方が多くいます。
平日は企業に勤めながら、土日を使って「好き」を突き詰めていく。それはある意味、「お試し期間」のようなものかもしれません。土日の空いている時間を使ってちょっとずつ「好き」を形にしていったとき、それがマネタイズできそうだったり、なんとか生活できるくらいの稼ぎに結びつきそうな兆しが見えたりしたら、本格的に起業すればいいのです。
また、「不安に思うことを書き出してみる」こともお勧めです。人は未知のものに恐怖を抱きがちですが、リスクを具体的に把握できると意外と大したことはなかったりします。例えばわたしの場合、起業に対して漠然と怖いという感覚を持っていましたが、理由を考えてみると「経営の経験がないから上手くいくはずがない」「お金がなくなるかもしれない」などが出てきました。起業は誰もが初心者ですし、DeNAにいたところで経営の力がつくわけではありません。実際に学生起業で成功している方もいますし、たとえ失敗しても、起業の経験をもって再就職することはできます。また、返せる範囲の借金であれば時間をかけて返せます。このように不安に思っている内容やリスクを書き出してみると、「起業した方が自分の人生にとっては絶対良い」と合理的に思えるようになりました。
人は主に、リスクがあってもガンガン攻めていく「リスク愛好型」なタイプと、リスクは最小限にして堅実に進めていく「リスク回避型」なタイプ、そして「リスク中立型」なタイプの三つにわけられます。「リスク愛好型」は大きく成功する可能性もありますが、致命傷も負いやすい。一方で「リスク回避型」は致命傷を避けられますが、大きなリスクを取りに行きづらい。リスクが小さい分リターンも少なくなります。わたしは実は「リスク回避型」な人間です。だからこそリスクを正しく把握して、自分なりに納得して意識的にリスクを取りにいくようにしています。どれが良い悪いではなく、自分の特性を正しく把握することが何より重要だと思っています。
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