ステップアップは幻想!? 転職回数に反比例して満足度が下がる傾向に
公開日:2021/5/19
キャリアアップの手段として転職を選択するビジネスパーソンは少なくありませんが、中には「転職癖」がついてしまう人も。転職回数を重ねる人ほど、会社への満足度が低下するというデータが示されていました。
転職を繰り返すと満足度が減少!?
以前マーケティングリサーチ会社「株式会社アスマーク」は、「社員の離職要因とエンゲージメント(愛着心・思い入れ)に関する分析レポート」を公開。転職回数と会社への満足度を分析して、「転職回数別にみる社員タイプ」に当てはめています。
同社が行ったアンケートでは、転職回数に反比例して会社への満足度が下がっていくという結果に。一方で「離職意向」は、転職回数が多いほど増加している傾向にありました。結果を受けて同社は、「転職回数が多くなるほど離職意向が高くなることから、不満があって転職を繰り返している人は、転職の度に条件が悪くなっている」と推察。転職をするだけでより良い環境で働けるとは限らないようです。
また「転職回数別にみる社員タイプ」で見ると、転職回数が多くなるほど「模範型」の社員が減少。反対に「受け身型」の社員が増加していました。これらのデータをまとめると、転職回数が多い社員は満足度が低くなって「受け身型」に。当然モチベーションも維持できず、離職を考えてしまうのかもしれません。
転職で負のスパイラルに……
転職したことでかえって環境が悪くなってしまうケースは少なくないようで、ネット上では「シンプルに年収が下がった」「仕事は自分に合ってるけど、人間関係が上手くいかなくて辛い」「単純なイメージで中小企業から大企業に転職したけど、残業が当たり前で前職より待遇が悪くなってしまった」といった失敗談が。また「転職を繰り返して職歴がヤバいことに→中々職が見つからない→ブラック企業に転職して再び離職」という負のスパイラルに陥る人もいるようでした。
度重なる転職で「リセット癖」がついてしまう人も少なくないようですが、一方で「あきらかに待遇が悪いのに我慢するのは良くない」との意見も。「キャリアが閉ざされてるのにその会社にしがみついてても時間の無駄。将来もっと悲惨になる」「スキルアップできない会社だと、その会社が潰れた時に詰む」「いわゆる“ブラック企業”だったら、体を壊す前に転職した方がいい」といった声が寄せられています。
「働いてみたら想像と全然違った!」と失望するケースもありがちな転職。それでもあえて新しい道に賭けるなら、しっかりと転職先を下調べしておきたいですね。