漠然とした老後への不安。具体的にいくらあれば大丈夫? 老後資金の計算方法/〇×でわかるお金の正解③

暮らし

公開日:2021/5/20


〇×でわかるお金の正解』から厳選して全5回連載でお届けします。今回は第3回です。

今さら聞けないお金のこと。持ち家それとも賃貸? 老後資金はどう貯める? そんな疑問を〇×式でみるみる解決! 節約→貯金→資産運用のゴールデンルールでお金を増やそう。累計300万部突破の凄腕家計再生コンサルタントによる、新時代を生き抜くマネー入門。

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こんな時代でもラクラク貯金ができる! 〇×でわかるお金の正解
『こんな時代でもラクラク貯金ができる! 〇×でわかるお金の正解』(横山光昭/KADOKAWA)

気になる老後資金、本当はいくら必要?

 将来のお金について、特に心配なのが「老後資金」ではないでしょうか? 「老後が不安なので積立投資をがんばっています!つみたてNISAもiDeCoも限度額めいっぱいまで投資をしています」という声をよく聞きます。

 では、どういった商品に投資を? などと具体的に聞いてみると、「えーっと、よくはわからないんですよ」という方が多いのが実情です。 要するに、「なんとなく投資をやっていれば大丈夫なんじゃないかな」と安心してしまっているわけですね。

 老後2000万円問題で不安をかきたてられ、最近の資産運用ブームで「老後資金を作りたい!」と思い立ち、なんとなく始めたという方が多いのではないでしょうか。

 もちろん、その行動力はすばらしい。だからこそもう一歩踏み込んでみませんか? 必要な老後資金の額は、持ち家の有無や住宅ローンの有無、年金額の違い、希望の暮らし方など、個人の事情によって大きく異なってきます。2000万円どころか1000万円でもなんとかなりそうな方も、最低でも5000万円は必要、という方もいます。

 ですから、自分にとって必要な老後資金を知るのが最も大切です。なんとなく、ではなく、老後が不安ならいくらあれば足りるのか、を具体的に把握してみてください。

 では、実際に老後資金はいくら必要か、仮に老後スタート年齢を65歳と仮定して、算出してみましょう。

[老後資金の計算方法]
①65歳以降に受給する予定の年金額から、1ヶ月あたりの住居費・生活費を差し引く。マイナスの金額が1ヶ月あたりの不足額。30年分を計算する
②現在の貯金額から老後資金に回せる金額を算出する
③①の金額から②の金額を引いた残りが、不足額
④③の不足額を65歳までの期間で準備する必要があるため、毎月(毎年)必要な貯金・投資額を試算をする

 いくら投資をすると目標額に近づけるのか、自分で試算するのは手間がかかります。金融庁のシミュレーションサイトを使うと、だいたいの目安がわかるのでおすすめです。

金融庁のシミュレーションサイト

 毎月の積立額・利回り・年数を変えることでさまざまなシミュレーションができます。この数字を知った上で初めて、毎月いくら貯金・投資するか、を決めることができるのです。

 ですが、まず皆さんにお伝えしたいのは、貯金よりも投資よりも大切なのは、「現状をきちんと知る」ということ。

 もし毎月の家計が赤字でボーナスで補填している状態なら、毎月天引き貯金をしても、積立投資をしても、ざるで水をひたすらすくっているようなものです。まず、今の自分の家計がどうなっているのかがわかれば、次のやることが見えてきます。

<第4回に続く>