新しい環境に数カ月たってもなじめないストレスからフリーになるには
更新日:2021/7/16
ストレスが増えたと感じやすい今。ストレスに100%悩まされないようになることは、とても非現実的な話です。
20万部を超えるベストセラーとなっている、精神科医の樺沢紫苑さんの著書『精神科医が教える ストレスフリー超大全 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト』(ダイヤモンド社)は、「ストレスゼロを目指すのではなく、ストレスに対する考え方・受け止め方を変えること」を教えてくれる1冊。
さまざまなストレスに対し、「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」が示され、心と体を整える行動が明確にわかります。
本稿では本書から一部抜粋して、「人を信頼できない時の対処法」についてご紹介します。
「人を信頼できない」の対処法
ある調査によると、「本当に信頼できる仲間がいる」と回答したのは、全体の38.7%で、残りの6割もの人が、「信頼できる仲間がいない」と答えています。職場においても、「上司が信用できない」と答える人が約6割いました。
職場でも、プライベートでも、半分以上の人は信頼できる友人や上司を持っていないのです。
ファクト1 最初の信頼はゼロで当然
精神科の患者さんは、「信頼できる医師が見つかりません」ということをよく言います。残念なことに、初対面で会った瞬間に信頼できると思える医師と出会うことは、ほぼ不可能でしょう。
なぜならば、信頼とは「関係性」だからです。それまでの人生で無関係だった2人が出会ったときの関係性は「0」です。
そこから会話をして、相手のことを知り、信頼度が少し増えます。二度、三度会って、相手のことを詳しく知ることで、信頼度はさらに増えて、それが十分に高まったときに、心から「この人は信頼できる」と思えるわけです。
信頼関係とは、時間をかけて作り上げていくものなのです。
最初の信頼度は、誰でも「0」です。なので、「人を信頼できません」というあなたの実感は100%正解です。
最初は信頼できなくてよいので、徐々に信頼関係を積み上げて、何ヶ月か後に信頼関係ができあがっていれば、それはかなり早いほうであり、ものすごく成功した人間関係と言えるでしょう。
ToDo1 信頼関係のレンガは二人で協力して積む
信頼関係の構築は、互いに協力してレンガを積み上げて、レンガの家を作るようなものです。相手にばかりレンガを積ませようとしても、一向に積み上がりません。あなたが1個積むから、相手も1個積んでくれるのです。
人間関係がうまくいかない人は、自分でレンガを積む努力をしないまま、信頼関係が積み上がらないのを「相手のせい」と思う人が多いのです。
特に「医師─患者」関係においては、「信頼関係の構築は全部医者がやってくれるのが当然」と思っている人が少なくありません。
職場、恋愛、夫婦においても同じです。「上司は何もしてくれない」「夫(妻)は何もしてくれない」「彼(彼女)は何もしてくれない」と、あなたは相手を責めますが、あなたは信頼のレンガをどれだけ率先して積んでいるでしょうか。
信頼関係の構築は共同作業です。人間関係がうまくいかない、信頼関係がうまくいかない場合、「相手に100%責任がある」ということはないのです。
あなたにも、少なからず「原因」や「責任」があるはずです。そこを修正し、自分から信頼のレンガを積む努力をしていかないと、信頼関係は一向に積み上がらないのです。