新しい環境に数カ月たってもなじめないストレスからフリーになるには
更新日:2021/7/16
ファクト2 心の橋がかかる期間は3ヶ月以上
心理学では、信頼関係の構築を「ラポール形成」と言います。
ラポールとはフランス語で、「橋をかける」「懸け橋」という意味です。ラポールが形成されると、「心が通い合っている」「心の悩みを打ち明けられる」と感じる状態になります。「橋」を通して、心が行き来するイメージです。
さて、ラポールが形成されるのに、どのくらいの時間がかかるのでしょうか。目安として、「3ヶ月~数ヶ月」という期間が一般的です。カウンセリングを開始し、3ヶ月くらいまでに、「ディープな悩みを話し合える状態」になっていると、カウンセリングは非常にうまくいっています。
あなたが新しい職場に入って、2ヶ月後もうまく職場に馴染んでいないとしても、それは「普通」なのです。あなたが悪いわけではなく、上司や周囲の人が悪いわけでもありません。信頼関係の構築には、もう少し時間がかかります。「3ヶ月」は1つの目安なので、あまり焦らずに、じっくりと信頼関係を構築してください。
ファクト3 自分の「心の扉」が閉じていると信頼関係は深まらない
自分のことを相手に話す自己開示によって、相手の心の扉は少しずつ開いていきます。
出会った直後は、2人とも心の扉はほとんど閉じた状態です。それが、少し自己開示をして、自分が心の扉を少しだけ開けると、相手も自己開示をするとともに、心の扉を同じくらい開けてくれます。二度、三度と会ううちに、互いの自己開示は進み、相手も徐々に心の扉を開いてくれます。これを「自己開示の返報性の法則」と呼びます。
そして、心の扉のノブというのは、内側にしかついていないのです。
ですから、相手がいくら心をオープンにしても、あなたが扉を閉じている限り、扉が開くことはありません。白馬に乗った王子様が突然現れて、あなたの閉じた心を開いてくれるのはおとぎ話の中だけです。
「この人、信頼できない」という警戒心は、自分の心の扉に鍵をかけているのと同じことです。いつまで経っても、「信頼できる人」が現れることなく「この世に信頼できる人がいない」と思ってしまうのも無理はありません。
ToDo2 心の扉を自分から開ける
まずは、心の扉の鍵を外してみましょう。自分から鍵を外さないと、すべての「信頼関係」「人間関係」ははじまりません。
勇気を出して、少しだけ、心の扉をオープンにしてみましょう。あとは、自己開示の返報性の法則で、お互いに扉が開きはじめ、信頼関係のレンガが少しずつ積み上がります。
心の扉を開けるのは、本人にしかできません。だから、最初に心の扉を開くのは、相手ではなく「あなた」です。勇気を持って、開いてください。
その小さな勇気から、すべての信頼関係、人間関係はスタートします。