新しい環境に数カ月たってもなじめないストレスからフリーになるには
更新日:2021/7/16
ToDo3 信頼関係を構築する5ステップ
さらに信頼関係を構築していくためには、次の5つのステップを知っていると、次に何をするかが非常に明確になります。
ステップ1 警戒
アメリカでエレベーターに乗ると、笑顔で「Hello!」と向こうから挨拶してきます。それは、相手に対する「情報」がゼロだからです。だから、「自分は悪い人ではない」「自分は不審人物ではない」と最低限の安心情報を伝える必要があるのです。相手の警戒を解くのに笑顔や挨拶は有効です。
ステップ2 疑心
「今日は良い天気ですね」「今日は暑いですね」といった雑談は、疑心を解くのに有効です。「いいえ」と答えが返ってくることがないからです。お互いに「イエス」(肯定)を交換することで、安心感が生まれます。
ステップ3 理解
自分から質問したり、説明や情報提供をすることで安心を増やします。このときにお互いの共通点を探すと、一気に親密度は深まります。心理学では、「ホモフィリー」(同属性)といって、人は同じような属性や価値観を持つ人とつながろうとする傾向を持ちます。同じ都道府県出身、同じ大学出身、同じ趣味などの共通点があるだけで、一気に関係性が深まります。
ステップ4 共感
共感とは、喜怒哀楽を共有し、相手と気持ちが通じ合った状態。意気投合、シンクロした状態です。「共感」の状態に持っていくために、心理学では「アイコンタクト」「うなずき、相槌」「オウム返し」などの傾聴テクニックを使います。「自分の秘密」「自分の弱さ」「自分のマイナスの部分」など、自分の心の中を打ち明ける自己開示も有効です。
ステップ5 信頼
接触回数が増えれば増えるほど人の親密度はアップする「ザイオンス効果」という心理法則があります。ビジネスであれば次のアポをとる。合コンであれば、LINEの交換をして接触回数を増やす。また、見返りを求めない他者貢献、相手のための行動は、信頼を深めるのにとても効果的です。
相手との今の関係が、この「5段階」のどこにあるのかを把握することが重要です。このステップを上手に踏んでいきましょう。
さらに学びたい人は
『プロカウンセラーの聞く技術』(東山紘久著、創元社)
難易度★★
「聞き方」の本は、数えられないほどありますが、2000年に出版された本書は、「聞き方」の元祖と呼べる1冊。人の話を聞くプロである「心理カウンセラー」はどのように話を聞いているのでしょうか。「聞き上手は話さない」「自分のことは話さない」「相槌の打ち方」「共感の仕方」など、聞くことに徹する傾聴の基本が学べます。実例も豊富で、実際の会話をイメージしやすく、「聞き方」の入門書としておすすめです。