嫌いな上司には嫌われる…! 嫌いな人を減らす「嫌いをなくすワーク」
更新日:2021/7/16
ToDo1 「普通」の評価を加える
「嫌い」という感情を減らすだけで、人間関係はものすごくうまくいきます。そのために、「嫌いをなくすワーク」をやってみましょう。
数百人にこのワークをやってもらった結果では、好き嫌いの二択で人物を判断した場合、嫌いな人の数が平均して2~3人。そして、「普通」を加えた三択にすると0~1人に減りました。
「普通」という基準を導入するだけで、「嫌い」な人の数が激減します。
顔も見たくないし、会いたくないし、話したくもない、本当に「大嫌い」という人は、たまに現れるかもしれませんが、それ以外は「普通」でいいのではないかという提案です。あるいは、「ニュートラル(中立)」と呼んでもいいでしょう。
「好き嫌い」の二者択一は、原始的な脳の「扁桃体」の条件反射です。私たち人類は他の生物とは異なり、「大脳皮質」を進化させ、じっくり考える論理的思考ができるように進化したのです。
最近の脳科学研究では、言語情報(大脳からの入力)が「扁桃体」の興奮を抑制することがわかっています。「言語」で、扁桃体をコントロールできる。つまり、「じっくり考える」ことで、「好き嫌い」のレッテル貼りを修正することが可能なのです。
人を判断する場合は、「好き」か「普通」で判断していきましょう。「あなたが親しくしたい人」と「そうではない人」の二択です。この二択思考を身につければ、あなたの「嫌いな人」は、ほとんどいなくなります。
ToDo2 悪口を言わず、「良いところ」を探す
どうしても嫌いな人への対処法があります。それは、「悪口」を言わないことです。繁華街の居酒屋では、どこでも悪口大会が開催されています。悪口もアウトプットですから、繰り返してしまうと記憶を強化します。
悪口を言うことで、ストレス発散をしているように感じますが、実は逆の効果をもたらします。本来忘れていたような些細なエピソードを思い出し、相手の短所、欠点のイメージを強化します。結局、その人をより嫌いになってしまうのです。嫌いのスパイラルで、人間関係が泥沼の状態に陥るだけです。今のあなたの状況は、自らの悪口が原因であり、自分が招いた災いなのです。悪口を言わないだけでも、人間関係は変わります。
人の悪口を言うときは、それが自分に返ってくることを予期しておけ。
―プラウトゥス(古代ローマの劇作家)
どんな人にも短所があれば、長所もあります。人よりも劣った点があれば、人よりも優れた点があるはずです。
あなたの大嫌いな人の「長所」を7個書き出してください。
「そんなもの、あるはずない」と思うでしょうが、よく観察すれば、必ず見つかるはずです。
私たちは、嫌いな人を「見たくもない」と思っているので、嫌いな人を積極的に観察していないのです。あるいは、あなたが「短所」と思っているところの裏返しが、「長所」かもしれません。「細かいことを、いちいちうるさい」(短所)というのは「細部にまでこだわっている」(長所)になります。
嫌いな人の長所を7つ書き出せば、「大嫌い」が「まあそこまでではないか」と「普通」に思えてくるはずです。
さらに学びたい人は
『嫌いなヤツを消す心理術』(神岡真司著、清流出版)
難易度★★
本書では、さまざまな心理的アプローチで自分の「嫌い」を消す方法が紹介され、さらに、相手の自分を嫌う感情を消す方法までも紹介されています。「脅威を与えない! 命令・依頼の話法」「挑発に乗らない! 攻撃への防御話法」「相手を尊重する! 拒否・断りの話法」など、具体的な場面でどういう言葉を発して対応したらいいのか、話し方の例が豊富。「嫌いな人を前に何を話したらいいのかわからない」という人に最適です。