上司・先輩・ママ友にも使える! マウンティング・嫌がらせに効果的な「丁重・丁寧系スルー言葉」
公開日:2021/7/19
ToDo3 適当にほめておだてる
スルー言葉を使えない人には、「適当にほめておだてる」という作戦があります。マウンティングする人は、人よりも優越感を持ちたい人です。優越感が満たされれば機嫌がよくなる。単純というか、「かわいい生き物」です。
マウンティングする人の心理がわかれば、「ネガティブな感情のかけ引き」に巻き込まれないで済みます。ネガティブな攻撃に対して、「怒り」「嫌み」「うんざりした表情」で反撃しては、泥沼の戦いになる可能性もあります。
こちらは、冷静に大人の対応をします。「すごいですね」「さすがですね」と返しておけば、相手は勝手に気持ちよくなります。あなたに対して好感を持つかもしれませんし、そうやって返せるあなたのほうが大人なのです。
ToDo4 嫌いな相手を味方にする
会社の上司や先輩、あるいはママ友などにそっけない態度で接すると、仕事がやりにくくなる、人間関係が複雑になるなど、やっかいな問題に発展する場合もありえます。その場合は、「敵を味方にする」といいでしょう。
心理学で「ベンジャミン・フランクリン効果」というのがあります。
100ドル札の肖像画にもなっているアメリカの政治家、ベンジャミン・フランクリン。彼はペンシルベニア州議会の場で、あまり仲のよくなかった議員に、「本を貸してほしい」と頼み事をしました。本を貸した相手の議員は、フランクリンに対して親切な態度に変わったのです。
人間は行動と感情が食い違った場合、それを一致させるような心理が働きます。「親切な行為」と「嫌い」は矛盾します。「親切な行為」はすでに行ってしまったので変えられない。なので「嫌い」を「好き」に変えて、心の調和をとるのです。
つまり「人は、助けた人を好きになる」というのが、ベンジャミン・フランクリン効果です。嫌いな人を避けるのではなく、あえて「頼み事」「お願い事」をするのです。たとえば、マウンティングしてくる先輩に、「先輩、○○について教えてくれませんか。○○に関しては、うちの課で一番詳しいですよね」というように言ってみましょう。
嫌いな相手に対して、ほとんどの人は「反撃」するか「避ける」はずです。それは、P20でも述べたように、「闘争か、逃走か」の扁桃体による本能的な反応ですが、大脳皮質を使うと「味方にする」という発想が出てきます。敵よりも味方を増やしたほうが、人生は楽になっていきます。
ファクト2 あなたがマウンティングされる真の理由
マウンティングするのは、相手に対して勝てると思っているからです。相手に対して、自分が優位に立ち、支配、コントロールできると思っているからです。あるいは自分と同程度なので、「潰しておきたい」という意識もあるでしょう。
つまり、「相手より下」か「同程度」と思われた結果、マウンティングされるのです。「絶対に勝てない」「支配できない」という相手に対しては、マウンティングしません。つまり、あなたはナメられているのです。
だから、今よりもレベルアップすることに考え方を切り替えましょう。
出過ぎた杭は打たれない。
―松下幸之助(パナソニック創業者)
職場の人間関係であれば、仕事を頑張って、社内で一目置かれる存在になることです。マウンティングされて「悔しい」という気持ちは、「仕事を頑張る」「自己成長する」というエネルギーに変えていきましょう。相手に「こいつには敵わない」と思わせる日まで、自分のことに集中するのです。
あるいは、あなたがマウンティングされるのは、あなたの自己肯定感が低く、自分に自信がないことを見抜かれているからです。「自己肯定感」を高め、「自信」にあふれた、ポジティブな自分にステップアップするチャンスです(自己肯定感を高める方法については、P252で詳しく述べます)。
さらに学びたい人は
『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』(草薙龍瞬著、KADOKAWA)
難易度★★
人から攻撃を受けたらスルーすればいい。しかし、具体的にどうやればいいのか。その方法を教えてくれるのが、僧侶によって書かれた本書です。不安、緊張、怒りなどのネガティブ感情は、実は自分が作り出したものです。ただ物事を「正しく見る」だけで、ネガティブ感情は消えていきます。自己洞察力を高め、心、体、感情を冷静に観察し、整理していく。ブッダの教えに基づいたその方法は、論理的に体系化されています。ブッダも実は超ネガティブ思考だったという指摘は意外ですが、とても勇気づけられます。ネガティブなあなたがスルーできる人になるための1冊。