「宿題しなさい」と言っても聞かない子どもを動かす「Iメッセージ」って?
公開日:2021/7/20
ToDo4 他人を変えるより自分を変える
やはり、他人を変えるより、自分を変えるほうが大事です。
他人を変えたければ、まず自分から変わります。昔から何度となく言われてきたアドバイスではありますが、じゃあ、どのように変わればいいのでしょうか。
イソップ寓話の「北風と太陽」はご存じですね。北風と太陽が力比べをすることになり、どちらが先に、旅人の上着を脱がせることができるのか……という話です。
北風は力いっぱい風を吹かせて上着を吹き飛ばそうとしますが、旅人は上着を強く押さえてしまい、脱がせることができません。
一方で、太陽は日差しを照りつけることで、旅人は暑さに耐え切れず、自分から上着を脱ぐのです。
さまざまな解釈ができる寓話ですが、人を行動させるには2通りの方法があることを教えてくれます。それが、「不快なことを避ける」と「快適なことを求める」の2つです。
人は、寒い風が吹けば、「寒さ」(不快)を避けるために上着を押さえますし、日が差してポカポカと暖かくなり、ちょうどいい「暖かさ」(快適)を得るために、上着を脱ぎます。力尽くでやってもうまくいかず、本人が自発的に動くしかないのです。
「不快なことを避ける」というのは、ノルアドレナリン型モチベーションです。恐怖や不快、叱られることを避けるために頑張るというモチベーションです。
一方で、「快適なことを求める」というのは、ドーパミン型モチベーションです。楽しさや褒美、褒められることを求めて頑張るというモチベーションです。
職場でも家族関係でも、相手に「行動させよう」とする場合、「北風」的なアプローチをしている人がほとんどです。相手は反感を持ち、むしろ防衛的になり、こちらの話を聞こうとしません。まったくの逆効果の場合も多いです。「太陽」的に対応するほうが、はるかに簡単に相手は動きます。
誰かを変えてあげたいとか、改善してあげたいと思うのは良いことですが、まずは、自分自身を変えることから始めてみませんか? 他人を変えようとするより、はるかに利益は大きく、危険はほとんどありません。
―D・カーネギー『人を動かす』より
相手を信頼し、リスペクトする。相手を認め、評価する。ポジティブな言葉を増やし、肯定的に相手と関わるように自分の行動を変えれば、必ず相手は動きます。
さらに学びたい人は
『人を動かす完全版』(D・カーネギー著、新潮社)
累計3000万部超の世界的大ベストセラー、自己啓発書の元祖とも言える1冊。原題は『How to Win Friends and Influence People』(友達を得て、人に影響を与える方法)ですが、「人を動かす」という訳が非常にキャッチーです。「人を変える」ではなく「人を動かす」。「変える」のは簡単ではないけれども、「人を動かす」ならできそうな気がしてきます。
本書では、「人を変える9つの方法」「敵を味方に変える方法」「人に好かれる6つの方法」「相手を自分の考え方に同調させる12の方法」などが書かれています。人にどう影響を与え、相手の感情や考え方を変え、最終的に行動を変える。それが、人を動かすということです。
その中でも「敵を味方に変える方法」としての「小さな頼みごとをする」は、本書にも書かれている話です。80年以上も前に書かれた本ですが、古さをまったく感じさせません。