勉強の基本はまず“真似る”コト! 『ドラゴン桜』桜木が教えてくれる勉強の“型”とは?
公開日:2021/6/28
俳優・阿部寛主演のドラマが最終回を迎えた受験漫画『ドラゴン桜』と『ドラゴン桜2』。この大人気作品をモチーフに、人それぞれに合った学び方を提案してくれるのが、書籍『ドラゴン桜とFFS理論が教えてくれる あなたが伸びる学び型』(古野俊幸/日経BP)だ。学生はもちろん、試験勉強などに励むビジネスパーソンにとっても役に立つ1冊である。
なお、タイトルの「FFS理論」とは、環境や刺激に対する人それぞれの捉え方を5つの要素から分析するもの。それにより、自分に合った勉強法を提案してくれるのが本書で、書籍だけではなくWeb診断でも導き出せるのも特徴だ。
自分に合った勉強法を見つけるヒント
自分に合う学び方を見つけたいとき、覚えておきたいのが、本書に出てくる「拡散性」と「保全性」というキーワードだ。
「拡散性」とは、興味があることに対して周りも気にせず「積極的」に動く一方、無頓着なことに対してはまったく動こうとしない人の性質。「保全性」は、準備に時間をかけながらも現状を安定させようと、工夫や改善を重ねていく人の性質を表す。
もちろん、生きている以上はどちらか一方に偏っていることはないはず。しかし、どちらの性質が強いか知るのは、自分に合った勉強法を見つけるための手がかりとなる。
例えば、本書で取り上げられている漫画『ドラゴン桜』(4巻31限目)には「水泳を覚えるには まず 水に飛び込むこと」というセリフが出てくる。ここで「まず飛び込まないと」と思った人は拡散性が高く、「ちゃんと水泳の基本を理解してから」と考えた人は、保全性が高い可能性がある。
自己流よりもまず“真似る”のが勉強のコツ
本書のタイトルには「学び型」という言葉が使われているが、じつは、勉強にも「基本の型」がある。
漫画『ドラゴン桜』の主人公・桜木建二も「“カタ”がなくてお前に何ができるんだ」と生徒たちにその重要性を説く。勉強で「基本の型」になるのは、シンプルに古くからある勉強法などをまず「真似る」こと。受験のために「効率よく、要領よく、学びの基礎を築く」ためには、とにかく「すでにあるものを真似るのが一番」と本書は述べる。
それでもなお、自分流の勉強法を編み出したいなら「基本の型」をまず実践して、そこから「オリジナルなやり方に進化させていく」のがベスト。はじめは、個性を求めるよりしっかりと地固めをしていこう。
勉強していても、いまいち成果が出ないと悩んでいる人におすすめしたい1冊。今つまずいているのは、自分に合う勉強法にたどり着いていないからかもしれない。本書をたよりに、持っている力を発揮できるよう環境を見直してみてほしい。
文=カネコシュウヘイ