在り方/富田美憂の「私が私を見つけるまで」⑳
公開日:2021/6/27
今思い返すと、声優になりたての頃の私はとても我儘だったなと思います。
「声優」とひとことで言っても、色々な種類の「在り方」があります。
そんな「声優」のなかでも私は「お芝居をする人」で在りたいと常に思っています。
今から声優像の話をしますが、その上で理解をしていただきたいのは、今から話す「富田美憂のなりたい声優像」以外が悪だということでは決してなく、人それぞれだと言う事です。
私はデビューしたその時から、「声の職人」になりたいと思って生きてきました。
マネージャーさんは私の今後を考えてくださり、声優としてのお芝居の場から、表に出てキャラクターを背負って歌ったり踊ったりする場まで、色々なお仕事を与えてくださろうとしていました。
その考えはとてもよくわかります。すべてのことが将来の自分の経験になる。常に私のことを想ってお話しいただいています。
でも私はそのお仕事を全てを受け入れるわけではなく、選びながらここまできました。
勿論ステージに立って、キャラクターと同じ衣装を着てパフォーマンスすることもすごく楽しい。大好きです。
でもあくまで「キャラクターの良さを皆さんに伝えるため、よりキャラクターを好きになってもらうため」というのが私のスタンスです。
これも私の好きな「芝居」のひとつだと思っています。だから好き。
でも一番に「富田美憂はお芝居をしている人」と皆さんに思っていただきたくて。
「富田美憂は芝居よりもアイドル的な活動をしてる人」と認識されてしまうのが嫌だったんです。
本当に自分のなりたい像に近づくための我儘でしかなくて。こんな我儘言えるほど偉くもないんですよ。
でも私はそれを貫き続けてきて、今も何よりも好きなのは芝居です。
多分この選択をしていなかったら今の富田美憂はありません。
結局将来を決められるのは自分だし、これからも自分の「なりたい」を貫いていきたいと、
そう思います。
そんな私の「なりたい」をいつも尊重してくれるマネージャーさんに、そして応援してくれている皆さんに感謝しかないです。
私はこれからも自分自身の気持ちに素直で居続けたいなって思いました。