美大受験生活~合格編~/小林私「私事ですが、」
更新日:2021/7/11
美大在学中から音楽活動をスタートし、2020年にはEPリリース&ワンマンライブを開催するなど、活動の場を一気に広げたシンガーソングライター・小林私さん。音源やYouTubeで配信している弾き語りもぜひ聴いてほしいけど、「小林私の言葉」にぜひ触れてほしい……! というわけで、本のこと、アートのこと、そして彼自身の日常まで、小林私が「私事」をつづります。
初めまして、小林私です。
前回の美大受験生活の後編です。まだご覧になっていない方は是非このまま読んでいただけると意味が分からなくてオススメです。
早速余談ですが、高校の同級生に「漫画を最新刊から一巻にかけて後ろから買う」というめちゃくちゃな奴がいて、「だんだん人が生き返っていって面白い」とのことなので、オススメです。僕は一巻から買いますが
さて、受験生活、入試の話です。以前Twitterに投稿したところかなりの反響があったのですが、試験ではとにかくミスをしまくりました。
俺の受験時ミス一覧
・センター試験当日、古文と世界史もあることを知らなかった
・武蔵美のデッサン試験に行く電車で右目のコンタクト落とし、片目で描いた
・行きの電車の網棚にカルトンを忘れた
・帰りの電車の網棚にカルトンを忘れた
・多摩美と造形の試験で受験票を忘れた— 小林私_2 (@zokubu_tsu) February 24, 2021
デッサン試験初日に片目のコンタクトを割ったり、必須のカルトン(主にデッサンに使う下敷き)を電車に忘れたりとかなりのうっかりを重ねました。
さておき、僕が受験した大学は全部で5つ。
東京藝術大学油画、武蔵野美術大学油絵、多摩美術大学油画、東京造形大学絵画、日大芸術学部絵画です。
出遅れていた僕はとにかくどこか都内の美大に、と考え、この5つの大学を選定しました。僕が女なら女子美も受けていました。
(ここで、この記事に対するツイートを一つ潰します。「小林さんみたいな顔なら女子大も受けれちゃいそうw」 ↑全部に失礼なのでやめましょうね)
これから美大を受験する人に向けて為になりそうな話を残しておきます。
現在当てはまらないものもありますが、当時私美大にはセンター利用、一般筆記テストのA・B日程など実技を除いた座学の受け口が複数ありました。僕は受けられるもの全て受けました。例えば僕の場合現代文が異様に得意だったので多摩美術大学の現代文に絞ったセンター利用はかなり有利でした。そういった実技以外の部分で有利な可能性があるので募集要項にきちんと目を通しましょう。
そして結果的には藝大一次以外全て合格をもぎ取りました。凄そうに聞こえますがここから僕が実技的に覚束ない中で何故合格出来たかを簡単にお話ししましょう。ここからは英単語アプリを勧めるサイトみたいになります。
①私立美大は勉強が出来ないと詰む!
僕が当時通っていた予備校の同級生を見るに、美大受験者の学科を勉強していない比率はかなり高いように思われます。正直美大の筆記科目は高校の勉強がなんとなく出来れば余裕で何とかなるんですが、本当にみんな勉強してません。遅くとも一年間絵を描きまくり、早いと高校も芸術科だったりしていた彼らは勉強を疎かにしがちでした。対して僕は高校2年まで普通の塾に通い、高校の勉強自体大した苦労はなかったのでそこがアドバンテージになりました。僕の受験期のルーティンとしては朝から晩まで予備校で絵を描いて、帰宅したらセンターの赤本を解きまくる。自分の出来ることをハッキリさせましょう。絵と同じですね
美大受験生、勉強しろ!
②実技試験課題の運が良すぎた
僕の得意なモチーフは「可塑性のある無機物」から「無機物全般」になりつつありました。
美大受験の試験では毎年傾向はあるものの異なる課題が出されます。詳細は各大学のHPなら過去3年分、予備校に通っている方は是非、受験前に講師陣に尋ねて欲しいポイントです。
僕の当時受けた入試では何とほっとんどが無機物!しかも僕が最も苦手としていたリンゴを始めとする果物が殆ど出ませんでした。
これは本当に爆アドで、有機物を得意とする同級生がかなり苦しみ、結果が振わなかった場合もありました。ただこれは本当の本当に運なので、何でも描けた方がいいです。当たり前だけど
4つの大学の合格をもぎ取った僕は「どこでもいいから頼む…!」と考えていた受験以前から「どこに行くか」を迷いました。勉強が選択肢を増やす好例ですね。多摩美にしたのは至極単純で最寄駅が八王子だったからです。現在“このままじゃまだ死ねない”という音楽ユニットを組んでいる相方の家が八王子だったからです。他に理由あんまないです。こういうのって直感だから
受験期の話はだいたいこれで以上です。入塾して3カ月くらい友達が一人も出来なかった話や初めて他人に“相談”をして泣きかけた話、予備校のみんなと鎌倉に行ったのに一人で親子丼を食べた話など面白話は無数にありますが、せっかくダ・ヴィンチニュースさんといういい場所で記事を書かせてもらってるので多少為になりそうな話を多めにしましたが、いかがでしたでしょうか? 多摩美に入ってからの話もゆくゆくしたいですね。その為にはみなさんの「小林私の記事って面白ンゴねえ、もっと出してクレメンス」という意思表示が必要です。そこんとこよろしくお願いします、嘘でもいいんで。他人の嘘で仕事が欲しい男、小林私です。
最後に受験に関しての感想を一つだけ言って終わりにしたいと思います。長々とありがとうございました。
「二度とやりたくない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ニューデリーに着いたら一度電話します。
僕のことは忘れてください、さようなら
こばやし・わたし
1999年1月18日、東京都あきる野市生まれ。多摩美術大学在学時より、本格的に音楽活動をスタートし、2020年6月に1st EP『生活』を発表。シンガーソングライターとして、自身のYouTubeチャンネルを中心に、オリジナル曲やカバー曲を配信し、支持を集めている。6月30日に、デジタルオンリーの新作EP『後付』(あとづけ)をリリース。表題曲の“後付”は、今秋公開予定の映画『さよならグッド・バイ』の主題歌になることも決定している。
Twitter:@koba_watashi
Instagram:https://www.instagram.com/iambeautifulface/
YouTube:小林私watashi kobayashi
YouTube:easy revenge records