SNSでやりがちな「余計なひと言」は…? 30万部突破のベストセラー『言いかえ図鑑』著者が伝授するオンライン時代のコミュニケーション術

ビジネス

更新日:2021/7/8

――予定がまだ見えていないときに、つい、このように書いてしまいがちですが……。

大野 それでしたら「いついつまでにお返事します」とか「今週中には予定が出るので、それからご連絡してもいいですか?」という具合に、返事をする目安を伝えましょう。肝心なのは相手をやきもきさせないこと。中途半端な状態で待たせてはいけません。

――ここでも曖昧な表現ではなく、具体的に伝えることが大切なんですね。

大野 そうですね。断る場合は早めに、そしてやはり曖昧さは避けて正直にお断りしましょう。理由は書かなくともいいんです。イエスかノーかをはっきりと伝えるだけで充分ですし、その方が角が立ちません。もし次につなげたい相手なら「次回また声をかけてください」「状況が変わったら必ずご連絡します」などのフォローを入れたら問題ないかと思います。

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SNSにおける4つのNGポイントとは

――その他、どんな言い方や表現に気をつけた方がいいでしょうか?

大野 ネガティブな表現を使った挨拶はおススメしません。相手の健康を気遣う文言でも、「体調を崩さないようお気をつけください」と言われるのと、「お健やかにお過ごしください」と言われるのとでは、どちらが気持ちがいいですか。

――なんとなく「お健やかに~」の方がいいような……。

大野 同じ意味あいでも、ネガティブな言葉よりポジティブな言葉の方が、相手にいい印象を与えるんです。「疲れてる?」と言われたら、本当に疲れたように感じたりしませんか。SNSのコメントなどでも、「かわいそう」や「最悪」といったネガティブかつ上から目線のワードは使わない方がいいですね。読む人を不快にさせるおそれがあるだけではなく、炎上の火種となりかねません。

――ネガティブワードと上から目線はNGである、と。

大野 SNSという空間は上から目線に敏感です。たとえば「私はこう思う」と発信するのはいいのですが、自分の意見を正当化するために「みんなもこう思ってる」とか「普通はこう」とか「一般的にはこうだよね」というふうに、自分が世の中大多数の代表であるかのようにつぶやくのは危険です。そういう文章は人をカチンとさせるものです。

――SNSは誰でも自由に発信ができます。それゆえに自分のモラルやバランス感覚、言葉に対する気の配り方が問われますね。

大野 SNSにおけるNGポイントを、私はこのように定めています。「批判」「否定」「誰かとの比較」そして「自分勝手な解釈」。この4つにさえ気をつければ、SNSに限らず人間関係はだいたいうまくいくのではないでしょうか。特にSNSはマウントの取り合いや、批判からトラブルが起こりがちです。ある程度の謙虚さといいますか、自分の意見を客観的に見つめる視点を持ちたいですね。

――4つのNGポイントに注意して、ネガティブよりもポジティブな表現で、そして自分に対して客観的に……。考えてみたらSNSでの炎上は、これらのどれかにふれているために起きている気がします。

大野 現在はプライベートとパブリックの境目が、とても曖昧になっている時代です。その境目を自分の中で明確にしておかないと、炎上という不名誉な事態に誰もが陥る危険性があります。大切なのは自分なりの規範を持つこと。感情的な状態でSNSをやると、感情的な反応がかえってきます。SNSに書き込んだら世界中が見ている――それを忘れずに、客観的にポジティブに、礼節をもってSNSを楽しんでいきたいですね。