カバーイラストを一新! ほっこりする表紙が目印の文庫版『ライフ』に「生きることを肯定してくれる」と大反響
公開日:2021/7/14
青年が新たな一歩を踏み出すまでの軌跡を描いた青春小説『ライフ』の文庫版が、2021年7月6日(火)に発売された。文庫版の発売をキッカケに作品に触れた読者からは、「没入感がすごくて蒸し暑さも忘れてしまいます」「淡い人間関係、なんでか共感してしまう」「通勤時間に読みました。淡々とした語りが心地よい」「特別なことが起こらない日常感が最高」と絶賛の声が上がっている。
同作は、アルバイトを掛け持ちしながらひとり暮らしを続けてきた27歳のフリーター・井川幹太を主人公としたストーリー。これまでアパートで一人気楽に過ごしてきた井川だったが、戸田という親子が引っ越してきたことにより彼の日常は緩やかに変わっていく。望まぬ近所付き合いがはじまると、井川は夫婦喧嘩の仲裁から育児まで、あけっぴろげな隣人から頼りにされるように。戸田と関わっていくうちに井川は自分のなかで押し殺してきたひとつの「願い」に気づいて――。
単行本が2019年5月に刊行されると、「本屋大賞2019」にノミネートされた同作家の『ひと』と共にメディアから大きな注目を集めることに。「王様のブランチ」でも紹介され、多くの読者が同作を手に取った。
ちなみに作者の小野寺史宜氏は、人との関わりに焦点を当てたヒューマンドラマに定評がある小説家。特別な事件は起こらないが、彼の作品はどれも読後に「自分はひとりじゃない」と感じられるはず。コンスタントに作品を発表しており、2020年5月には『食っちゃ寝て書いて』も刊行。こちらも『ライフ』や『ひと』と同様に人と人の関わりが丁寧に描かれている。
『ライフ』でも小野寺氏の持ち味が存分に発揮されており、ファンからは「やはり、いい。何がいいのか分からないけども、とにかく幹太くんがいい。人として信頼できるなぁ。戸田一家は、幹太くんと出会えて幸せだと思う」「のほほんとしたストーリーで、ハラハラドキドキはないけど、幹太や登場人物の人柄に癒された。DQNかと思ったけど、実はいい奴らだった。ほんとどこにでもいそうな若者の話」「読んでいてほっこりしました。のんびり生きることを肯定してくれる小説好きやなあ」「ふとした事でアパートの住人と知り合い、人と人とが繋がっていく。劇的ではない人生、でも明日を少し好きになれる。かもしれない」といった声が相次いでいる。
また文庫版ではカバーイラストを一新。イラストはマンガ『鬼の子』を手掛けたながしまひろみ氏が担当しており、作品の世界観が柔らかいタッチで表現されている。本編はもちろん、表紙にも注目してもらいたい。
人間関係が希薄になっている今だからこそ心に刺さる『ライフ』。手に取りやすい文庫版が発売されたこの機会に、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。