「私にとって永遠にかわいい子どもみたいな存在」『黒猫ろんと暮らしたら』著者が語る、幸せにあふれる猫との毎日

暮らし

公開日:2021/7/16

『黒猫ろんと暮らしたら』(AKR/KADOKAWA)
『黒猫ろんと暮らしたら2』(AKR/KADOKAWA)
『黒猫ろんと暮らしたら3』(AKR/KADOKAWA)

 もし「幸せ」というものを具現化したら、きっと猫の形になるんじゃないか――。猫と一緒に暮らしはじめてから、そんなことを本気で考えるようになった。それくらい、猫と過ごす毎日はよろこびにあふれていて、何にも代えがたいものなのだ。

 そんな、幸せいっぱいの猫との生活を絵日記にしてTwitterに投稿しているのが、『黒猫ろんと暮らしたら』(KADOKAWA)の作者AKRさん。フォロワーはいまや16万を超え、2巻まで刊行されている単行本はどちらも即重版と、驚くべき人気を誇っている。

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 そしてこのたび、待望の第3巻が発売されるということで、AKRさんと黒猫ろんちゃんとの暮らしについて、同じく飼い猫を愛してやまない筆者が話を伺った。

(取材・文=近藤世菜)

『黒猫ろんと暮らしたら3』まえがきより

 AKRさんとろんちゃんとの出会いは、今から6年半前にさかのぼる。当時、保護猫を引き取りたいと考えていたAKRさんが、近所の動物病院にノラ猫が保護されていると聞きつけたのがきっかけだ。(くわしいエピソードは単行本第1巻をチェック!)

『黒猫ろんと暮らしたら1』の試し読みはこちらから

 そして、初めてろんちゃんとの生活を絵日記にしてTwitterに投稿したのは2019年。その理由は「急に思い立ったから」だという。

「ろんとの思い出を形にして残したくて、はじめは自分のための記録として描き始めました。『タイトル+3コマ+補足』という独特なフォーマットや、コマの区切りを枠線ではなく斜線にしているのも、マンガではなく絵日記として描いているから。でも、せっかくだし友達に見てもらおうかなとTwitterに投稿したら、想像以上に多くの方から反響をいただいたんです」

2019年に初めて投稿した3コマ漫画。
『黒猫ろんと暮らしたら』に収録。

 絵日記がまたたく間に人気を博したことで、ろんちゃんは一躍「時の猫」に。多くの人々から愛されるようになった愛猫のことを、飼い主としてどう思っているのか。

「もし、ろんに言葉が通じたら『君のことを好きだと言ってくれる人がたくさんいるよ』と伝えたいです。ろんは人に可愛がられるのが好きなので、きっとよろこぶだろうと思います。私の絵日記がきっかけで、『うちでも同じことがあった』とか『うちの場合はこうだった』とか、たくさんの方が自分と猫との暮らしについて投稿してくれたり、なかには『絵日記を読んで、保護猫を引き取ることに決めました』という方もいて、本当にうれしいことばかりです」

『黒猫ろんと暮らしたら』より描き下ろし「保護ねこ希望」
これがAKRさんとろんの運命の出会いとなる。

 そうやって、AKRさんの絵日記が多くの猫好きを魅了しているのは、ろんちゃんとの暮らしを心から楽しんでいるのが伝わってくるからだろう。でも実は、AKRさんが猫を飼うのはろんちゃんが初めてのこと。最初は何かと、困ったり戸惑ったりすることも多そうだが――。

「思えば、ろんに困らされたことは今までほとんどないですね。引き取った当初は、気遣い屋で遠慮しいなところがあって、何かするたびにチラッと私の顔を見て嫌がっていないか確認していたくらいですし(笑)。もちろんライフスタイルは猫優先になったので、趣味だったお香や、以前は家中にふりまいていた虫除けスプレーなど、できなくなったことも多々あります。でもそんなことよりも、ろんのおかげで日々の生活に幸せを感じる瞬間がずっと多くなりました。ひとつだけ困っていることがあるとすれば、少しでも元気がないと心配で何も手につかなくなってしまうことくらいですかね」

『黒猫ろんと暮らしたら3』より
なでられたり褒められたりすることが大好きな甘えん坊のろん。

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