完璧主義を目指すと長続きしない。こってり系ラーメンだって食べたけりゃ食べてOK!/突き抜けるコンディション革命②
公開日:2021/7/21
小林弘幸著の書籍『突き抜けるコンディション革命』から厳選して全5回連載でお届けします。今回は第2回です。著書累計200万部突破。スポーツ学の名医が教える、仕事、スポーツ、食事、ストレス対策、ダイエット、感染防止、メンタル強化など、困難な時代でも結果を残す心と体のコントロールメソッド50! やさしい世界の“やさしい言葉”に安住せず、厳しい現実社会でも突き抜ける心と体のコンディションを身につけよう――!
こってり系ラーメンだって食べたけりゃ食べろ
「健康のためなら死んでもいい」という言葉があります。
「長生きでも寝たきりでは意味がない」といった肯定的な意味で使う場合と、健康情報に振り回されている人の滑稽さを笑いのネタとして扱う場合があるようですね。
私が常々信条としてるのは、「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」。何ごともやりすぎは毒ということです。特に「〜はしてはいけない」「〜を食べては絶対にいけない」など、健康に関してはやりすぎに陥りがちです。
私は一般的に「体に悪い」といわれるものも平気で食べます。背脂たっぷり、こってり系ラーメンを食べることもありますし、焼き肉を大食いすることだってありますが、それでもいたって健康ですし、体重もずっと変わりません。
もちろんそれは、自律神経専門の医師として、どうやって体のバランスを保てばいいかという知識を持っているからという部分は大いにあります。
そのまま暴飲暴食が生活習慣になってしまったら、さすがにメタボリックシンドロームになり、生活習慣病に悩むことになるでしょう。しかし、ラーメンを食べた後の正しいリカバリーの方法や、深酒をした翌朝の正しい過ごし方を理解しているからこそ、健康を害してしまうその前に整えることができるのです。
こうした知識、すなわち「ヘルス・リテラシー」があるのとないのとでは、今後の体調管理に大きな影響をおよぼすことでしょう。
しかし、そんなことよりもっと大事なのは、平常心を保つこと、心を壊さないことなのです。ダイエットもそうですが、あまりにも徹底しすぎると、ちょっとしたつまずきですぐにやめてしまうことになりがち。何ごとも完璧主義を目指すと、長続きしない傾向があります。
どなたにも心当たりがあるでしょう。テレビや雑誌などで見かける健康情報は、「○○をしてはいけない」とか「○○禁止」というものが多いですよね。
でも、禁じられれば禁じられるほど欲しくなるのが人情というもの。「こってり系ラーメンが食べたい」と、心と体が欲しているのに、それを我慢するのは非常に大きなストレスです。
みなさんもストレスが体に悪いのはご存じでしょう。平常心が保てなくなれば、自律神経のバランスが乱れて、結果的に体調を崩す原因にだってなりかねせん。時には自分の感情に従うことも大切なのです。
私はそれを「わがままに生きる」と表現しています。ここでいう「わがまま」とは、好き放題の言動をしたりルールやマナーを守らなかったりする、ただの「わがまま」ではありません。そうではなく「あなたの生き方の根幹にかかわる姿勢」「あなたの本当の欲求」に寄り添うといったニュアンスです。わがままに生きると自律神経が整っていきます。次いで、心身の状態がよくなり、思考も前向きになり、人生全体が好転していくはずです。
健康とはバランスであり、「極端に走ること」では決してありません。「ダメな自分」のことも認めてあげて、ありのままを受け入れることも大事なこと。あとは、それを補う知恵でカバーしていけばいいのです。
毎日、仕事をがんばっているのですから、時には深夜にこってりラーメンを食べてもいいじゃないですか。食べた時の幸福感が何事にも替えがたいものです。その分、明日の食事で体を整えてあげましょう。