雲の正体、なにか知ってる? 空に浮かんでいられる理由は…/空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑
公開日:2021/7/31
夏でも上空では雪が降っている、虹は半円形ではない、雨のにおいには名前がある…空には不思議でおもしろいことがいっぱい!
雲、雨、雪、虹、台風、竜巻など、天気や気象にまつわる“おもしろくてためになる知識”を、映画『天気の子』の気象監修者としても有名な荒木健太郎氏に教えてもらいました。やさしい解説で「天気・気象のなぜ?」が一気にわかります。
今回ご紹介するのは「雲の正体」。みなさんは雲が何からできているかご存知ですか? その正体は…。
※本作品は、荒木健太郎著の書籍『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』から一部抜粋・編集しました。
雲の正体は水と氷のつぶ!
白くてモクモクした雲。「乗ってみたいな」と思ったことがある人もいるかもしれません。でも、残念ながら雲に乗ることはできません。乗ろうとしても、自分の体がすり抜けてしまうでしょう。なぜなら、雲は水と氷のつぶでできているから。
雲は、無数の水や氷のつぶが集まって空に浮かんでいるものです。雲のつぶの大きさ(半径)は0.01㎜くらいで、髪の毛の太さ(断面)の5分の1程度という小ささ。この雲のつぶは毎秒数㎜〜数㎝の速さで落ちるのですが、空にはもっと速い上昇気流(上に向かう気流)がたくさんあるので、雲は空に浮かんでいられるのです。
じつは、水と氷の雲には見わけ方があります。モクモクしている雲はだいたい水のつぶでできていて、高い空でなめらかなスジっぽいかたちをしている雲はだいたい氷でできています。空に浮かんでいる雲の姿から、その雲が水と氷のどちらのつぶが集まってできたものかを想像しながら、空を旅するつぶたちを見上げてみてください。
豆知識
「雲のなかの上昇気流に乗って空を飛べないか」とまじめに考えてみたところ、積乱雲の上部は上昇気流が強いので、パラシュートを使えば飛べそうです。ただし、その高度は10㎞以上で気温は-数十℃、極寒の世界です……。