近年増加中! “ゲリラ豪雨”の正体って?/空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑

スポーツ・科学

公開日:2021/8/6

夏でも上空では雪が降っている、虹は半円形ではない、雨のにおいには名前がある…空には不思議でおもしろいことがいっぱい!

雲、雨、雪、虹、台風、竜巻など、天気や気象にまつわる“おもしろくてためになる知識”を、映画『天気の子』の気象監修者としても有名な荒木健太郎氏に教えてもらいました。やさしい解説で「天気・気象のなぜ?」が一気にわかります。

今回ご紹介するのは、近年でも問題になっている「ゲリラ豪雨」です。バケツをひっくり返したような激しい雨が局所的に降る、ゲリラ豪雨。その正体に迫ります。

※本作品は、荒木健太郎著の書籍『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』から一部抜粋・編集しました。

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空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑
『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』(荒木健太郎/KADOKAWA)

「ゲリラ豪雨」の原因は積乱雲

 突然降る雨は、近年「ゲリラ豪雨」と呼ばれることがあります。その正体は積乱雲による局地的な雨で、これは昔からよくある現象です。

 積乱雲の寿命は30分〜1時間ほどで、短時間でその一生を終えます。積乱雲の横方向の広がりは数㎞〜十数㎞くらいなので、移動する積乱雲が真上にやってくると突然雨が降り出し、通り過ぎるとすぐに雨が上がるのです。ひとつの積乱雲がもたらす雨量は数十㎜程度といわれますが、積乱雲の一生のうちいくつかの世代の雲が集まった大きな積乱雲(マルチセル)は、長生きして降る雨の量も増え、駅や道路などが水に浸かってしまうこともあります。

「ゲリラ豪雨」と聞くと、いかにも最近起こるようになった予測できない危険な現象というイメージですが、古くから「通り雨」や「夕立」、急に降り出す雨を意味する「驟雨」と呼ばれてきたもの。レーダーの雨量情報をうまく使い、「ゲリラ豪雨」をただの「通り雨」にしましょう。

空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑

豆知識
スコールというと熱帯の雨を連想しがちですが、もともと航海用語で、本来の意味は「急な風の強まり」です。急に風が強まる現象としては「突風」もあり、これは20秒未満でおさまりますが、スコールは1分以上続きます。

<第8回に続く>