自然な眠りを誘う鍋料理や辛い料理。夕食の冷やしトマトは入眠に効果的!?/睡眠にいいこと超大全

健康・美容

公開日:2021/8/5

 コロナ禍の変化によるストレスで「睡眠が十分取れない」と悩んでいませんか?

 外出自粛でおうち時間が増え生活が一変しました。生活リズムの乱れや運動不足、ストレスの影響で眠りに関する悩みが増えているといいます。寝つきが悪い・起きられない・日中も眠い… 睡眠に関する悩みを解消して、驚くほどぐっすり眠れる方法紹介している『睡眠にいいこと超大全』から、睡眠力を高めるコツや快眠を誘うメソッドを伝授します!

※本稿はトキオ・ナレッジ著の書籍『睡眠にいいこと超大全』から一部抜粋・編集しました

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睡眠にいいこと超大全
『睡眠にいいこと超大全』(トキオ・ナレッジ/宝島社)

快眠の決め手は体温をあげて下げること
夕食の鍋料理&辛い料理が眠りを誘う

KEYWORD▷グリシン、カプサイシン、ジンゲロール、ショウガオール

睡眠にいいこと超大全

体温は活動量と大きく関係し、日中は高く、夜になると低くなる

 私たちの体は、活動している日中は体温が高く保たれるが、夜は体と脳を休息させるため深部体温(体の内部の温度)が下がっていき、それに伴い眠気が訪れる。深部体温がより急激に下がったほうが眠りにつきやすく、なおかつ深い睡眠が得られることがわかっている。一度体温をあげれば、深部体温が下がりやすくなり、自然な眠気が訪れるのだ。

 体温をあげるためにはいくつか方法があるが、そのひとつが体を温める夕食を摂ること。特に体の中から温めてくれる熱々の鍋料理は体温をあげる効果が高い。その際、積極的に摂りたいのがホタテやカキなどの貝類とエビやカニなどの甲殻類だ。これらの食材には深部体温を下げて睡眠の質を高める「グリシン」というアミノ酸が含まれている。

 また、唐辛子の主成分である「カプサイシン」にも体温をあげる効果があるので、辛いものが苦手でなければ、キムチ料理などを夕食に取り入れるのもいいだろう。しょうがの辛味成分である「ジンゲロール」と「ショウガオール」も体を温めるので、料理はもちろん、しょうがとはちみつを紅茶に加えたホットドリンクもおすすめだ。

睡眠知っ得MEMO

カプサイシンで快眠とともに美肌もゲットしよう
カプサイシンは体温をあげる以外にも殺菌・抗酸化作用などさまざまな効果を発揮する。体脂肪の燃焼や便秘の解消などは、肥満に悩む人にはうれしい効果だ。さらには発汗を促し、老廃物を排出。美肌づくりにもひと役買ってくれるのだ。

手軽に手に入り、応用レシピも豊富な夕食の冷やしトマトで睡眠力アップ!

KEYWORD▷冷やしトマト、夏が旬の野菜

睡眠にいいこと超大全

深部体温を下げる効果のある夏に旬を迎える野菜たち

 スムーズな眠りに入るためには、深部体温をいったんあげて下げる方法があるが、一方で、あげずに下げてしまうのも効果的だ。『スタンフォード式 最高の睡眠』の著者としても知られる、アメリカ、スタンフォード大学医学部精神科の西野精治教授が推奨するのが、夕食のメニューに冷やしトマトを加えること。体の熱を取る性質があるトマトを冷やして食べれば、さらに体温を下げる効果が期待できるというわけだ。トマトはさまざまな料理に活用することができるので、レシピの幅を広げる役割も果たしてくれる。

 一般的にきゅうりやナス、ゴーヤなど夏に旬を迎える野菜は体の熱を取る性質を持つといわれる。南国では、体温を下げるためにきゅうりジュースを飲む地域もあるという。これらの夏に穫れる野菜は水分やカリウムを豊富に含むため、水分補給にも力を発揮してくれる。また、東洋の漢方薬や、西洋のセイヨウカノコソウやカモミールといったハーブ類も睡眠によいものとして長年用いられてきた。

 ただし、すでに述べたように「これを食べれば眠れる」という食材は存在しない。冷やしトマトも眠る準備を整えるための補助手段として捉えること。どんな食材にも共通することだが、「眠りにいい」と思い込み、それだけを食べすぎると栄養バランスを崩してしまって、かえって眠れなくなるという事態を招きかねない。また、睡眠を促すために食べたはずの大豆食品が筋肉増強に力を発揮したなど、食べ物の「使い道」を決めるのは体だと西野教授は言う。これらの事実をふまえ、思い込みから偏った食生活に陥らないよう、バランスよく食べることを心がけてほしい。

<第4回に続く>