寝る数時間前の軽い運動は睡眠に効果大! 快眠を誘う“簡単ストレッチ”を紹介/睡眠にいいこと超大全

健康・美容

公開日:2021/8/6

 コロナ禍の変化によるストレスで「睡眠が十分取れない」と悩んでいませんか?

 外出自粛でおうち時間が増え生活が一変しました。生活リズムの乱れや運動不足、ストレスの影響で眠りに関する悩みが増えているといいます。寝つきが悪い・起きられない・日中も眠い… 睡眠に関する悩みを解消して、驚くほどぐっすり眠れる方法紹介している『睡眠にいいこと超大全』から、睡眠力を高めるコツや快眠を誘うメソッドを伝授します!

※本稿はトキオ・ナレッジ著の書籍『睡眠にいいこと超大全』から一部抜粋・編集しました

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睡眠にいいこと超大全
『睡眠にいいこと超大全』(トキオ・ナレッジ/宝島社)

運動後のスッキリはランナーズハイ!?
寝る数時間前の軽い運動が睡眠には◎

KEYWORD▷軽いウォーキングやストレッチ

睡眠にいいこと超大全

激しい運動は交感神経を刺激し眠りを妨げる要因になる!

 運動習慣のある人は、ない人に比べてよく眠れていると感じる傾向があるようだ。そう聞くと、ついついがんばってしまう人も多いかもしれないが、激しい運動はかえって逆効果。仕事帰りにフィットネスジムに通うという、一見健康そうに見えるライフスタイルも睡眠にはよくない場合がある。疲れているときは心拍数があがり息切れするような激しい運動は避けるべきだ。汗をかくと疲れが取れてスッキリするという人もいるだろうが、これは一時的なランナーズハイ状態に陥っているため、疲労が蓄積されているのに本人は気づかないだけという可能性もある。

 激しい運動をすると疲労の原因となる「疲労因子」が発生し、これを解消しようと「疲労回復物質」が増加することは32ページで述べた通り。疲労回復物質の働きが追いつかなければ、寝ても疲れが取れないという状態になってしまう。また、運動する時間帯にも注意が必要だ。運動は寝る2~3時間前までに終えること。直前の運動は交感神経を優位にし、逆に目が冴えることになってしまうからだ。

 では、どんな運動をすればいいのか。おすすめは交感神経を刺激しない軽いウォーキングやストレッチ。特にストレッチは筋肉をほぐし、体をリラックスさせるとともに副交感神経を優位に働かせる効果がある。仕事中、思い切り伸びをすると気分がスッキリするのも同じ原理だ。ぐっすり眠るためには、寝る2~3時間前までにストレッチで体を伸ばし、気持ちをリラックスさせることがとても重要なのだ。そこで、体の緊張を解く「筋弛緩法」をはじめ、睡眠に効果のあるさまざまなストレッチを紹介していこう。

いったん力を入れて抜くだけでOK
筋弛緩法はいつでもどこでも実践できる

KEYWORD▷筋弛緩法

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目を閉じて体に意識を集中すればリラックス効果はさらにアップ!

「筋弛緩法」とは、その言葉通り、体のさまざまな部位にいったん力を入れて緊張させ、一気に脱力する運動のこと。この2つの動きを繰り返すことで全身の力を抜き、緊張を解いていくという、医療の現場でも使われているリラックス法だ。椅子に座った状態でも、ベッドに横たわったままでも、やりやすい方法で大丈夫。ただし、食後は避け、次の3つのポイントに従って行おう。

①8割程度の力を入れる(5~10秒)
②ストンと一気に力を抜く(10~20秒)
③力を入れた状態と、力を抜いた状態をしっかり感じ取る。

 行う際は目を閉じると余計な情報が入らなくなり、体の感覚に集中することができる。体がぽかぽかしてきたような感覚が得られれば、リラックスできている証拠だ。

体と気持ちをゆるっとほぐして
快眠を誘う寝る前の簡単ストレッチ

KEYWORD▷快眠ストレッチ

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体を硬くする原因は日中のすごし方にあった!?

 快眠を手に入れるためには「体をゆるめる」ことがとても大切。しかし、日中、同じ姿勢のまま長時間すごしていると、血行が悪くなり筋肉が硬くなってしまう。また、ストレスがたまると、交感神経が優位な状態になり、体は常に戦闘・防衛体勢におかれる。このことから緊張を解くことができないため、筋肉の動きがにぶくなるのだ。つまり、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を強いられ、かつストレスフルな毎日を送っている私たちの体はゆるんでいるとはとてもいえない状態なのだ。

 体をゆるめるために睡眠セラピストの松本美栄氏が推奨するのが、就寝前の「快眠ストレッチ」だ。硬くなりがちな全身の筋肉をほぐし、気持ちもリラックス、快眠へと導いてくれる。習慣化して、体をムリなく「お休みモード」に切り替えよう。

就寝2〜3時間前の体をゆっくりほぐす
ヨガがベースの「ワニのポーズ」

KEYWORD▷ヨガの「ワニのポーズ」

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背中と腰をゆっくりねじり気持ちよければ効果あり!

 寝る前のハードな運動は交感神経を優位にさせ、睡眠の質を下げてしまうということは、88ページで述べた通り。就寝前は体をほぐす程度のストレッチにとどめておくのがベストだ。中でも睡眠改善インストラクターの西川ユカコ氏が推奨するのがヨガがベースの「ワニのポーズ」を簡単にしたストレッチ。ベッドの上でも実践できるので、ぜひ試してみたい。

 やり方はとても簡単。バスタオルを敷いた床やベッドの上に仰向けになり、左図のように体をねじるだけ。背中と腰がねじれ、血行がよくなると同時に体の緊張がほぐれていくのが感じられるはず。気持ちいいと思えるところで、約10秒間ポーズをキープ。余裕があれば、曲げたひざを床に近づけるようにして腰をねじれば、さらに効果あり。その際、呼吸は止めずに、吐くことを意識した鼻呼吸をゆっくり続けることを忘れずに。

 立てた片ひざを曲げていくのが難しければ、最初から両ひざを曲げた状態で行ってもOK。両方の肩が浮かないようにすれば、ストレッチ効果がより高まる。ただし、就寝3時間前までに終わらせるようにしよう。

睡眠知っ得MEMO

完璧でなくても「気持ちいい」と感じればOK
体が硬くて、同じポーズが取れないという人もいるはず。最初は完璧にできなくても問題なし。「気持ちいい」と感じることができれば、それは一定の効果が得られた証拠。何度も行っているうちに体は少しずつやわらかくなるはず。

たった1分で姿勢をリセット!
寝る前の快眠ストレッチで深い呼吸を

KEYWORD▷三橋式快眠ストレッチ

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姿勢をリセットせずに寝てしまうと呼吸が浅くなり快眠できなくなる

 長時間のデスクワークは姿勢を悪くし、ストレスがかかると人は身を守ろうとして背中が丸くなってしまう。姿勢が悪いまま寝ると、胸が開かず呼吸が浅くなり、快眠できなくなってしまうのだ。そこで、快眠セラピストの三橋美穂氏が推奨する「三橋式快眠ストレッチ」で寝る前の姿勢をリセット。呼吸を深くし、睡眠中のリンパ液の流れや血行をよくしよう。

 この快眠ストレッチは胸を開くことに加え、筋肉のこわばりを取り除き、寝返りを打ちやすくする効果がある。さらに、体液の流れをよくし、疲労を回復してくれるのだ。

 時間がなかったり、疲れていて面倒だったりするときは、3番目の腕まわしを省略しても大丈夫。目を閉じてゆっくり深呼吸するだけでもリセット効果は十分得られる。ほんの1分でできるので、ぜひ毎日の習慣に。

<第5回に続く>