『情熱大陸』にも登場した動物彫刻家・はしもとみおによる「木彫り動物雑貨」の作り方
更新日:2021/8/2
「いつもの部屋」を変える木彫りインテリア
本書には実用的な雑貨だけでなく、遊び心のある木彫りインテリア雑貨も掲載。中でも、これからの季節にぴったりなのが、清涼感が得られる「海の生き物モビール」。
風を受けると、ゆらゆらと漂うように揺れるこのモビールは、癒し度満点。端材でも作ることができ、初心者向けのヒトデから上級編のラッコまで作り方が記されているため、彫刻のステップアップにも最適だ。
また、「うさぎのレリーフ」も、いつもの部屋に癒しをプラスしてくれるインテリア雑貨。
クスノキを使って作るこのレリーフは好きな言葉や花を刻み込み、よりオンリーワンな作品にしてみるのもあり。ギフトにも適しているので、大切な人のために心を込めて作ってみるのもよさそうだ。
なお、本書の巻末にははしもとさんがこれまでに制作した作品がズラリ。
中でも目を奪われるのがファンタジー感溢れる木彫りのチェスセット。
個性豊かな駒を握ったプレイヤーは、つい頬が緩んでしまいそうだ。
そして、そんな作品と対比されるかのように並べられている本物そっくりな犬の彫刻にも惹きつけられる魅力がある。
実物大のリアルなこの作品は、犬愛あってこそ生まれたものだ。
動物の命と真摯に向き合っているはしもとさんの作品は、ひとつとしてまったく同じものがないから、多くの人の心に刺さる。例えば、同じ猫という動物であっても模様だけでなく表情や体つきなどが少しずつ異なるので、より味わい深く思える。
また、犬や猫のような身近な動物だけでなく、キリンやライオンなど普段あまり身近でない生き物の再現度が高い点もすごい。
こうした作品を目にすると、自分も“命を宿すものづくり”をしてみたくなる。
“ものを作るということは、ものに命を宿すことでもあります。手作りのものはなおのこと、物語や記憶も宿ります。”
はしもとさんのこの言葉を噛みしめ、ぜひあなたも命を吹き込む作業を楽しんでみてほしい。
文=古川諭香