疲れない“基本の立ち方”を覚えよう! 心がけるべき4つのポイントとは?/疲れないカラダ大図鑑

健康・美容

公開日:2021/8/11

 リモートワークで腰が痛くなった、パソコン作業で肩こりが悪化した、午後になると疲れから集中できない…。あらゆる疲れの原因は、ふだんなにげなくしている動作の癖。それを直すだけで驚くほど改善するとしたら、実践したくなりませんか?

 日本のトップアスリートたちの活躍を数十年にわたり支えてきたトレーナー・夏嶋隆さんが考案した疲労回復メソッドがついに公開! 近年アスリート以上に、疲労を抱えたまま生活をしている人たちが増えていることを危惧した夏嶋さんが、実生活で実践できる疲労改善方法を伝授します。

 日々、疲れに悩んでいる方はぜひ実践してみてください。いつも行っている作業が驚くほどラクになりますよ。

※本作品は夏嶋隆著の『疲れないカラダ大図鑑』から一部抜粋・編集しました

疲れないカラダ大図鑑
『疲れないカラダ大図鑑』(夏嶋隆/アスコム)

疲れない基本の立ち方

 人間の動作の中で、「立つ」ことはもっとも基本的な動作です。しかし、これができていない人があまりに多いのが現実です。悪い立ち方をしていると、立っているだけで疲れてしまったり、自覚していなくても、体に重力のダメージを蓄積させ疲労を誘発したりする原因になります。

 また、「立ち方」というのは、案外人に見られているものです。

 ビジネスパーソンの方なら、社内での朝礼や、大切な商談の前に、ダラけた姿で立っていると、それだけで評価を落としかねません。疲れない立ち方をすれば、姿勢も美しく見えます。

 

 疲れない立ち方の基本は、地面に対してまっすぐ垂直に立つことです。

 足の真上に骨盤を置き、その上に頭が来るようにします。耳、肩、骨盤、足が一直線上になるよう、意識するようにしてください。

 このとき真上から写真を撮ると、両肩を結ぶ線の中央に頭があり、背中が見えない状態です。

 猫背の人は、耳が肩より前に出て、肩が骨盤より後ろにあるため、背中を丸めることでバランスをとっています。そのときはラクでも、体を支える支持筋が衰えているため、腰に負担がかかり腰痛の原因になります。見た目も不格好です。

 まっすぐ立とうとすると胸を張ってしまう人がいますが、これはいただけません。胸を張ると、肩の位置が骨盤より後方にずれ、頭が前方に出てしまうため、上半身の重さを分散させることができません。

 

疲れない立ち方をキープするには?

 以下を心がけましょう。

・お尻に軽く力を入れる
・胸を張らず、肩を下げ、肩甲骨を背中の中心側に寄せるイメージを持つ
・拇指球を浮かせて、足指を猫の足のようにして踏ん張る
・足を肩幅程度に開き、左右の中心に体の重心が来るように意識する

 

 お尻に軽く力を入れると、自然と骨盤が前に出るため、足の真上に骨盤を置きやすくなります。胸を張らずに、肩甲骨を寄せる(絞る)ような意識を持つと、体は一直線になりやすいです。

 また、足は肩幅程度に開き、足先も軽く開くようにしましょう。靴を履いていても、足の指に力を入れ、地面を軽くつかむ意識を持つようにします。猫の足のようなイメージです。このとき、拇指球(足の裏の親指のつけ根の部分)は靴底につけず、10円玉1〜2枚程度浮かせるようにします。

 そして、体の重心はつねに、開いた両足の幅と、足の縦の幅がつくる長方形の中に置くようにしましょう。

 

 最初のうちは、普段とは異なる立ち方に戸惑うかもしれません。しかし、人体の構造的にはこれがもっとも体に負担を与えない自然な立ち方だといえます。この立ち方ができない人は、体を支える支持筋が衰えてしまっているため、支持筋を鍛えるためにも、意識的にこの立ち方をキープするようにしましょう。

 ビジネスの大切なシーンで、猫背であったり、不自然に胸を張ったりしないように、日頃から「疲れない立ち方」を習慣にすることが大切です。

疲れないカラダ大図鑑

<第2回に続く>