人工的に作られた「新しい生活様式」で、日常が激変⁉ あなたならどうする?/無意識のため息が驚くほど消えて うつうつしなくなる
公開日:2021/8/9
最近ごはんがおいしくない、ふとした瞬間に不安になる…。コロナによる自粛生活で、沈んだ気持ちになっていませんか? それは“うつうつした気持ち”が原因かもしれません。
うつ病まではいかないが、以前より“うつうつとしがちな方”に向けて、心療内科医・産業医でもある石川陽平先生が、患者や自身にも応用している「毎日を少し楽にする実践テクニック」をご紹介します。
※本作品は石川陽平著の『無意識のため息が驚くほど消えて うつうつしなくなる』から一部抜粋・編集しました
人工的に作られた、「新しい生活様式」
新型コロナウイルス感染症の流行を食い止めるために「新しい生活様式」が2020年5月に発表されました。もしコロナ禍ではないときに発表されていたら、一見明るい未来のような単語ですが、実際は、
・人との距離はできるだけ2mあける
・真正面を向いて話さない
・買い物はできるだけひとりで
・食事中のおしゃべりは控えめに
・歌や応援は、十分な距離をとるかオンラインで
など、これまでの日常を大きく変える指針です。コロナの流行を止めるためには致し方ない部分はありますが、「新しい生活様式」を当たり前に感じ、変化に目をつぶって進まなければならないような雰囲気が蔓延しています。
水槽の水が替わった魚
「新しい生活様式」が発表されたあとの私達は、「水槽の水が替わった魚」に似ています。金魚を飼ったことがある方ならわかるかもしれませんが、水槽の水を一気に替えてしまうと、金魚は体調を崩しやすくなります。水槽の水を半分とか2/3とか残して、新しい水を入れると、体調を崩す確率は低くなります。
それは人でも同様のことが言えます。環境が大きく変わると、人は体調を崩しやすくなります。この「新しい生活様式」は、私達の生活環境を大きく変えるものであり、私達は、その新しく入ってきた環境に適応しないといけなくなりました。
適応するために、まずは「新しい環境」の正体を、
① 日々の生活
② 仕事(特にリモートワーク)
に分けて見ていきたいと思います。
ちなみに、筆者の実家は江戸末期から続く、らんちゅうという金魚を飼育する家系です。そこでも、もちろんながらいきなり全部水を替えるということはせず、前の水を残して半分替える、ということが常識でした。
また、買っていただいた金魚も、お客さんの家についてからすぐに新しい水槽の水に入れることはすすめておらず、まずは同じ水で飼育して、少し環境に慣れてきたら新しい水を継ぎ足すことが多かったのを覚えています。