「BATTLE OF TOKYO」（以降BOT）とは、Jr.EXILE世代の4チーム――GENERATIONS、THE RAMPAGE、FANTASTICS、BALLISTIK BOYZ――から総勢38名が集結し、架空の未来都市「超東京」を舞台にコラボバトルを繰り広げる次世代エンタテインメント・プロジェクトだ。本プロジェクトではJr.EXILEのメンバー自らが、その分身となるキャラクターの名前や設定を考えている。

　Jr.EXILEにおいて最も若いグループBALLISTIK BOYZの7人が成り代わるのは、超東京で暗躍するハッカー集団「JIGGY BOYS」。第2巻は「ユキ（Yuki）」こと加納嘉将と「リブラ（Libra）」こと奥田力也が大活躍だ。読み終えた二人の心境は？

――本誌初登場となるお二人には、第1巻を読んだ時の感想からぜひ伺ってみたいです。

加納　いろんな意味で衝撃的でした。小説自体もすごく面白くて、その勢いのまま小説を読んだ後にBOTの僕らのミュージックビデオ（『VIVA LA EVOLUCION』）を改めて見てみました。でも、小説で描かれていたストーリーであるとか街の情景や武器やアクションがどんどんリンクしていって、再び小説を読むとミュージックビデオには映っていないところまで鮮明にイメージできたんです。小説と映像、アニメーションが融合する、これは新しい楽しみ方だぞと興奮しました。

奥田　1巻では4つのグループの持ち味だったり強みだったり、カラーが説明されていくんですが、僕たちJIGGY BOYS は4番目に出てくるんですね。最後に出てくる僕らが持っている「解析（スキャニング）」という、他人の見た目や技や能力をコピーしてしまう異能って、能力的には一番って言ってもいいくらいに強いんですよ。「現実では一番後輩の僕らが、一番強くていいの？」と（笑）。

加納　1巻が出た後、先輩たちに「ずるくない？」と言われましたね（笑）。

奥田　JIGGY BOYS の7人は、現実のBALLISTIK BOYZ の7人とかなり近い描かれ方をしているなと思いました。例えば、メンバー一人一人の個性がバラバラで、7人で集まって動くこともあるけど、他のグループと違って結構自由に行動している。JIGGY BOYS のメンバーの根底にある価値観は「誰よりも自由でありたい」と小説の中に書いていただいたんですが、これってまさにBALLISTIK BOYZ のことだな、と。

加納　だからハッカー集団なのかも。ハッカーとしての生き方と自由に対する考え方がリンクしていて、グループとしての深みを感じました。

――では、第2巻はどのように楽しまれましたか？

加納　第1巻では各チームが1組ずつ紹介されていった感じなんですが、第2巻ではいよいよ本番というか、チームとチームが接点を持って繋がっていって戦いを始める。僕はマンガやアニメのバトルものが好きなので、男心をくすぐられるじゃないですけど、チームバトルの熱い展開にグッと惹き込まれました。個人的には第1巻の何倍も面白かったです。

奥田　第1巻ではスキート（Skeet ／砂田将宏）とフューチャー（Future ／深堀未来）がいっぱい活躍していたので、自分の出番はいつかなと思っていました（笑）。そうしたら、第2巻での僕のリブラがもう、登場シーンから最高なんですよ！　他の6人がAstro9 に捕まっちゃった時に、たまたまリブラだけがコーラを買いに行っていて、捕まらなかった。6人を助けるために、1人でAstro9 に立ち向かっていくんですよ。やばくないですか!?

加納　めっちゃニヤニヤしながら喋ってる（笑）。

奥田　リブラは「チーム一の仲間思い」ってキャラなので、その部分がすごく出ているシーンだなと感じましたし、その後もリブラとユキがメインで話が動いていく。嬉しすぎて、小説を読んだ日は夜眠れなかったですね。

加納　僕も読む前まではユキがこんなにフィーチャーされているとは知らなかったので、テンションが上がりました。一番びっくりしたのは、ユキが「武闘派」って情報は最初のほうに出てくるんですが、最後のほうで、JIGGY BOYS に入る前はアサシン（暗殺者）だったと明かされたんですよ。「えっ、俺、アサシンなの！？」と（笑）。そんな過去を持っているのに今はハッカー集団の一員なんだ、というのも面白かったですし、そもそもJIGGY BOYS の7人はどうやってグループになったのかが謎なんですよね。「余計な昔話や詮索はしないのが、JIGGY BOYS の流儀だ」という文章も出てくるんですが、このグループに対してより興味が沸きました。

――JIGGY BOYS はジョーカー的な存在ですよね。興味本位で他のグループが抱えている問題などに首を突っ込んで、場を引っ掻き回す。そして、常にジャイアントキリングを狙っている。

加納　やんちゃですよね。そのあたりも、BALLISTIK BOYZ に似ている。

奥田　 ROWDY SHOGUNのアジトにヘリコプターがあるという情報から、「奪っちゃおうぜ！」となる展開はびっくりしました。結構ガツガツいく奴らだぞ、と（笑）。でも、現実の世界で僕らは一番後輩のグループではあるんですけど、そこで一歩引くというよりは、先輩たちと戦うぞというスタンスでいなきゃいけないなと思っているんです。

――JIGGY BOYS とBALLISTIK BOYZ は、かなり距離が近い？

奥田　ほぼ一緒、な気がします。ただ、性格は似ているけど、行動は違うかなと。僕はハッキングとか、あんなに頭のいいことはできないので、憧れます（笑）。

加納　小説を読んでいて、自分の性格とかグループでの立ち位置を意識して書いてくださっているのかなと感じたのは、他のメンバーたちに内心でツッコミを入れているところです〈（ってツレが全員フリーダム過ぎるわ！ ここは俺がしっかりしなきゃ！）／この三人に任せていたら、どんどん訳がわからない方向に進みそうだ〉。リアルでも、ライブなどでは自分がＭＣをやって、メンバーに突っ込んだりする役回りがあるんです。

奥田　ユキとリブラは意外と似ているなと思うところがあって、平和主義なんです。リブラはバトルの時も敵と戦うというよりは、味方を守ったり庇ったりする方向で動くんですよね。ユキもそう。

加納　そうですね。ユキはAstro9 とのちょっとしたバトルの後で、〈俺的には彼らとは、仲良くしたかったんだよ？〉と思っていたりして。今は4つのチームがバトルをする展開ですけど、ユキみたいな考えのキャラは他にもいるだろうし、今後は仲良くなるチームがあったりするんじゃないかなぁとか想像しちゃいますね。

奥田　うんうん。男同士でバトルしているところを見るのも楽しいですけど、みんなでワイワイしているところを見るのが好き、という人もきっと多いですよね。現実の世界でも、仲良くさせてもらっている先輩もいますし（笑）。チームの垣根を越えて、ワイワイしているところをいつか見てみたいです。

――ところで、第2巻でJIGGY BOYS のスキャニングによる「他者のスキルの簒奪」に、3つのルールが課せられたじゃないですか。〈①自身の能力を超えるスキルを再現使用すると、身体に多大な負荷がかかる。 ②スキルは複数同時に使用できない。③使用スキルを切り替える際は、切り替えに十秒の時間を要する〉。これによって最強感が削られたと思うんですが……どう思われました？

奥田　やっぱりあの能力は最強すぎたんだな、と（笑）。このぐらいでは、最強の座は揺るがないですけどね！

加納　その3つのルールの後に、〈今後成長するかもしれないが、今はそれが限界だった〉という文章があるんですよ。正直、結構制限がでかいなと思ったんですが、今後成長するかもしれないのであれば弱点も克服できる。やっぱり、うちらが最強ですね（笑）。

――3巻の活躍も楽しみです。下剋上、狙ってください。

奥田　全部ぶっ潰します！　……いや、仲良くもなります（笑）。

加納 3巻はJIGGY BOYSがAstro9のいるアストロパークにいよいよ乗り込んでいくと思うんですが、実はこの展開って、2019年にFANTASTICSとコラボで作ったBOTのミュージックビデオ（『SHOCK THE WORLD』）の後半の展開そのままなんですよ。自分たちがまだ気づいていないだけで、もうすでに伏線はいっぱい出ているのかもしれない。小説を読んでミュージックビデオを見て……ということを繰り返して、発見してみたいなと思っています。

BATTLE OF TOKYO公式サイト

※ダ・ヴィンチ2021年9月号掲載記事の転載です。

取材・文：吉田大助
写真：川口宗道

ヘアメイク：中山伸二（CONTINUE）