「ネガティブ思考」は武器になる!/マンガでわかる「自分を動かす」技術⑦

マンガ

公開日:2021/8/8

わかってはいるけど、「動けない」「やめられない」「続けられない」あなたへ!「自分を上手に動かす方法」を知れば、良い習慣がウソみたいに簡単に身につき、人生が思い通りになる! 精神科医ゆうきゆう氏の「心理メソッド」を人気漫画家Jamさんがマンガ化! 『マンガ版 ちょっとだけ・こっそり・素早く「言い返す」技術』に続いて、『マンガでわかる! 気分よく・スイスイ・いい方向へ「自分を動かす」技術』から全9回にわたって連載をお届けします。

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自分を動かす技術

 前項とつながる部分がありますが、「すぐネガティブ思考になってしまう自分がイヤだ」なんて感じている方は少なくないでしょう。

 確かに、ネガティブ思考が行き過ぎてしまうと、日々の生活にも悪い影響が出てきます。でも、ネガティブ思考も使い方によっては「最強の武器」になるのです。

 こんな調査があります。対象は恋人がいない学生。1つは「好きな人とうまく話せない」というようなネガティブな思い(空想)を抱いているグループと、もう1つは「好きな人と恋人になって幸せに過ごしている」というようなポジティブな空想をしているグループの2つに分けます。この両者を追跡し続けたところ、前者のネガティブなグループの方が、恋人ができる確率が高いと分かりました。

 また、試験においての調査でも、「低い点数になりそう」とネガティブに見積もった学生グループと「高い点数が取れると思う」とポジティブに考えた学生グループに分けたところ、実際の試験では、ネガティブに見積もった学生たちの方が高い点数を取っていたのです。

 マンガにもありましたが、ポジティブな空想をする人はそれだけで満足してしまって行動しないため、望んだ結果を得られないことが多いのです。

 逆にネガティブな空想をする人は、悪い予想が現実にならないよう努力するため、ポジティブなだけの人より成功しやすくなります。ネガティブ思考は、上手にコントロールすれば「自分を成長させる」ためのエネルギーになるのです。

 ですから、ネガティブ思考に陥った時は、一度深呼吸して考えてみて下さい。

「これは自分自身に関係することだろうか?」
「こうなりたくないから、頑張ろうと思えることだろうか?」

 答えが「イエス」であれば「ネガティブ思考でも大丈夫」と安心できますし、「ノー」であれば「ポジティブ思考に切り替えよう」という意識が働くはずです。こうしてネガティブ思考を上手にコントロールできれば、日々の見え方も変わっていきます。

 いずれにせよ、「ネガティブ思考はダメだ」とあなたの気持ちを抑え込まないで下さい。その不安や恐怖があるからこそ、あなたは行動し成功できるのですよ。

 ちなみに、行動なきネガティブさは何も生みませんから、「ネガティブな気持ち」を持ち、そのうえで「行動」に結びつけるように意識して下さいね。

自分を否定する「改造」ではなく「成長」を考える

 最後に1つ注意しておきたいことがあります。ある心理学の研究によれば、「自分はいいところが全然ない!」と自分を根本から変えようとしている人は、そうでない人に比べて、4割も抑うつ的になりやすいということが分かっています。「自分をまったく別のものに変えよう」と「改造」しようとするのは、あまりいいことではないのです。

 ここで大切なのは「改造」と「成長」は違うということ。現在の自分の延長線上で能力を高めたい、活躍したいと思うことは「成長」ですから、悪いことではありません。自分を受け入れたうえで能力を伸ばそうとするのは、とってもいいことです。

 ダメなのは「改造」。つまり、今の自分を否定し、まったく別のものに変わらなきゃ……と思うこと。こう考えてしまう人は、結局根本的に自分を受け入れることができていないのです。変化があったとしても、「まだダメだ」「もっと変わらないと」と考えてしまい、いつまで経っても自己否定を繰り返してしまいます。

 まず必要なのは、今の自分を受け入れ、認めてあげること。そのうえで、「今の自分のままで、より物事をうまく進めるには、どうすればよいのか」と考えることです。

変えるのはあなた自身ではありません。状況です。方法です。試行錯誤を繰り返して、とにかく一歩でも二歩でも、そこから動き始めることが大切なんですよ。

Point 「ネガティブ思考」+「行動」→ 成長のエネルギー

<第8回に続く>