「月曜瞑想プラス」で、ワンランクアップ。呼吸を意識しよう!/ 心と頭が軽くなる 週はじめの新習慣 月曜瞑想
公開日:2021/8/27
日々の悩みや疲れなどがたまり、イライラ、モヤモヤ、不安な気持ちを抱えてしまっていませんか?
「月曜瞑想」は、週のはじめを気持ちよくスタートするための新習慣。無理はしない、難しいことはしない、時間にしておよそ5分でできる手軽な瞑想法となっています。頭と心を切り替えて、スッキリした気持ちで1週間をスタートしましょう!
※本作品は伊藤東凌著の『心と頭が軽くなる 週はじめの新習慣 月曜瞑想』から一部抜粋・編集しました。
瞑想の目的は、ある意味、自分の頭の中を観察すること
瞑想しているときに、頭の中にいろいろなことが浮かんでくるのは悪いことではなく、それを観察するのが、むしろ、瞑想の目的と呼んでいいかもしれません。
問題なのは、浮かんできた思いや考えに心が支配されてしまうことです。
それが、「とう」まで数えられなかった、もしくは途切れてしまった原因でもあります。浮かんできたことに心がとらわれて、数えることを忘れてしまったのです。
少し時間はかかるかもしれませんが、「月曜瞑想」を続けていると、次々に頭に思い浮かんでくることに支配されなくなります。
気がかりなことや嫌なことが浮かんできても、ワクワクすることやうれしいことが浮かんできても、スルーできるようになるのです。「あっ、何か浮かんできた」と、頭の中を客観的に眺められるようになります。
私は、この境地を、よく浜辺の話に例えてお伝えしています。
私たちの心は、海に似ているところがあります。何のトラブルもなく、静かな水面のときもあれば、大きなトラブルが発生して大荒れになることもあります。
海が穏やかなときは、ただプカプカと浮いているだけでいいですが、海が荒れてくるとそうはいきません。海が荒れてくると、ふつうは、なんとかその場を逃れようと手足をバタバタさせたり、サーフボードやボディボードなどを使って波を乗りこなそうとしたり必死になると思います。
ところが、瞑想が上達してくると、何もしなくなります。
ジタバタすることを放棄して、流れに身を任せてしまうのです。そうすると、いったんは沖に流されるかもしれませんが、波がおさまり、潮が引く頃には浜辺(心を外から眺める場所)に打ち上げられることがわかってくるからです。
そして、瞑想の達人になると、そもそも海に入ることなく、浜辺に座って海を眺めるようになります。
頭に浮かんできたことにいちいち反応するのは、ちょっとした海の変化にもジタバタしているようなもの。そんなことをしていると、心も体も疲れてしまいます。
海が荒れても、何もしない。究極は、浜辺に座ってその様子を眺める。
これが、「月曜瞑想」の最終の目標。
週一回の心の再起動の繰り返しで得られる、最高の心の状態です。
「月曜瞑想」の第一歩は、自分の体をじっくり感じることから
頭に浮かんでくることに心が支配されなくなるのは、少し先のお話。
「月曜瞑想」の目的は、月曜の朝に心と頭を再起動し、たまった疲労感やストレスを新しい週に引きずらず、スッキリとした気持ちで1週間をスタートすることです。
再起動するために、まず、自分の体を感じることから始めましょう。
体のことは、ふだんはあまり意識していないと思います。それを、意識して感じてみるのです。慣れるまで少し集中力がいるかもしれませんが、それが「瞑想」の第一歩となり、同時に、心を再起動するスイッチとなります。
手を合わせているときに、右手で左手を、左手で右手をしっかり感じることができましたか。
呼吸をしているときに、息を吸っている、吐いていることを感じることができましたか。
私たちには本来、自分にあるものも、まわりにあるものも、繊細に感じ取れる感覚があります。それが、忙しい毎日や人間関係のストレスなどに心が振り回されていると、少し鈍くなってきます。
そのままでいると、どんどん感覚が鈍くなり、自分を幸せにしてくれるものが近くにあるのに気づけなくなってしまうのです。
「月曜瞑想」では、その鈍くなっている感覚を、自分の体に意識を向けることで取り戻します。いろいろなものを受け入れるための感覚を開いていく、ウォーミングアップのようなものです。
手を合わせて右手で左手を感じようとすると、左手のぬくもりを感じられます。逆もそうです。それぞれの指に意識を向けると、それぞれの指のぬくもりが感じられます。指先がしびれているような感覚もあるでしょう。
呼吸に意識を向けると、息を吸い込むと肺がふくらみ、吐くとしぼんでいくのがわかります。少し呼吸が大きくなると、おなかがふくらみ、吐くとしぼんでいくのを感じることもあるでしょう。
右手と左手、そして息を吸ったり吐いたりしているときの体の動き。
ふだんの生活の中で、体のことに、ここまで細かく意識を向けることはほとんどないと思います。健康なときや調子がいいときはなおさらです。体のことが気になるのは、熱があるとか、だるいとか、手や足をケガしたとか、何か具体的な症状が体に表れてからではないでしょうか。
右手も左手も、息を吸ったり吐いたりするために使っている体も、すべてあなたに当たり前にあるものです。ついつい忘れがちな、その当たり前にあるものを感じることができたら、鈍くなっていた感覚が開いてきたということ。
心の再起動、完了です。
心を再起動させ、感覚をさらに研ぎ澄ます「月曜瞑想プラス」
「月曜瞑想」に慣れてきたら、ぜひとも挑戦していただきたいのが、「月曜瞑想プラス」です。
これは、基本の「月曜瞑想」のやり方で「とう」まで数え終わった後に、続けて行います。
あなたの中で眠っている感覚を、さらに開き、研ぎ澄ませることができます。
やることは次の2つです。
①目を閉じて手を合わせたまま、音を聞く
②目を閉じて手を合わせたまま、匂いを嗅ぐ
「月曜瞑想」の基本のやり方では、体の内にあるものを感じましたが、「月曜瞑想プラス」では体の外にあるものを感じてみましょう。
都会の生活に慣れると、耳から入ってくる情報を無意識にシャットアウトしているところがあるものですが、耳を澄ますと、いろいろな音が聞こえてきます。
外を走る車の音が聞こえてきませんか。学校へ行く子どもたちの声が聞こえてきませんか。鳥のさえずりはどうでしょうか? エアコンをかけていたら室外機の音が聞こえてくるかもしれません。
車の音も注意深く耳を傾けると、いろいろな音があることに気づきます。
小さな車、大きな車でも違うし、止まろうとしているか、スピードを出しているかでも違います。
雨の日なら、雨音が聞けるときもあるでしょう。
雨音にもいろいろな音があります。雨が屋根をたたく音、地面をたたく音、外を歩いている人がいたら傘にはねる音が聞こえてくるかもしれません。屋根をたたく音は、コンクリートと瓦では違うでしょうし、地面をたたく音も、アスファルトと土ではまったく違うでしょう。
匂いはどうでしょうか。
匂いに関してもふだんはあまり意識することはないかもしれませんが、意識を集中して嗅ごうとすると、そこには何かしらの匂いがあると思います。昨日の夜のアロマ、いつもつけている香水、ハンドクリーム、昨日買ってきてテーブルに置いてあるフルーツ、消臭スプレーなど、いろいろな匂いがあることに気づくことでしょう。
窓を開けていると、外から入ってくる匂いを感じることもあるでしょう。
何が聞こえるか、何が匂うか、ではなく、いろいろな音や匂いを感じるのがポイントです。それだけ感覚が開いてきたということです。
「月曜瞑想プラス」のおまけとして、ぜひ紹介したいのが、私自身も毎朝行っている「ボディスキャン」です。これも、感覚を開く練習になります。
基本の「月曜瞑想」で、息を吸うとき、吐くときに意識を向けると、肺やおなかがふくらんだり、しぼんだりするのを感じられるとお話しいたしましたが、ボディスキャンは、さらに細かく体の動きを観察します。
カメラを使って本当にスキャニングするわけではありませんから、ここの筋肉が張っているとか、ゆるんでいるとか、体のコンディションはどうかとかイメージすることになりますので、想像力も必要になります。
例えば、息を吸ったら、肺に入ってきた空気が胸から背中、おなか、背骨、そしてお尻、手や足の指先まで行き渡るのを想像する。
逆に息を吐くときは、いろいろな部位を通って最後に口から息が出ていくまでを想像する。
ボディスキャンは、慣れるととても楽しく、私自身を含め私のまわりでも、日々の体調管理の一環として習慣化している方は少なくありません。基本の「月曜瞑想」と合わせて、繰り返すことで、感覚がどんどん開いてきます。
私たちが本来持っている感覚を取り戻せると、些細なことや小さな動きに気づけるようになります。
例えるならば、解像度が低くてぼやけていた映像が、解像度が高くなることでくっきりはっきり見えてくるようなものでしょうか。
そうなることによって、チャンスやきっかけも見つけやすくなる、といえるかもしれません。いつでもキャッチできるよう、「月曜瞑想」で感覚を開いておくことをぜひともおすすめします。