お金がなくても「資産形成」ってできるの? 最初の一歩は先取り貯蓄に挑戦しよう!
公開日:2021/8/24
「結婚、出産、子どもの成長、老後……将来に対するお金の不安を抱えているけれど、何をすればいいか分からない」という人も多いはず。
そんな悩みを解決するのが、この『これだけやれば大丈夫! お金の不安がなくなる資産形成1年生』(小林亮平/KADOKAWA)だ。
本書は、「1章:貯金の自動化」「2章:固定費削減」「3章:投資の基本」「4章:つみたてNISA」「5章:楽天経済圏」「6章:ふるさと納税」のチェックリストに沿って順を追ってクリアするだけでOK。イラストと図をふんだんに使って対談形式で紹介されているので誰でもわかりやすく理解することができる。
著者は、元銀行員でYouTubeチャンネル登録者数27万人を超え(2021年8月現在)、「超初心者でも理解できるよう優しく伝える」をモットーに、資産形成の入門知識を発信している小林亮平氏。
本稿では、資産形成で意外と軽視されがちな「先取り貯蓄」と「固定費削減」について、その一部を紹介する。
先取り貯蓄でやりくりすることを学ぼう
資産形成と聞くと、ついつい最初に始めたくなるのは投資では?
けれど、万が一の時に自分の生活を守るためにも、資産形成の最初の一歩に貯金をすることが大切だ。
ただ、貯蓄と言われても今の生活もギリギリで、なかなか始められない人も多い。その時におすすめなのが、先取り貯蓄だ。
先取り貯蓄とは、やり方はとってもシンプルで、月の始めに給与口座から他の貯蓄用の口座へ貯金をしておいて、残りの給与で生活すること。帳尻を合わせてお金を使う方法を考えるため、貯金ができない人にこそおすすめ。
毎月の給料の10%を貯金すれば、10 カ月、つまり1 年程度で月収分になるので、お金が貯まっていくのをちゃんと実感できる。
さらに、ネット銀行を使えば、金利もお得で、例えば、楽天銀行は楽天証券と連携(マネーブリッジ)するだけで簡単に金利を大手銀行の約100 倍の年0.1%にできる。
本書ではほかにも、ネット銀行を活用して、貯金の自動化から、お得な使い分けをケース別に紹介しているので、要チェックだ。
節約は、変動費ではなく固定費削減
ただ、先取り貯蓄をすると、月々の生活費のやりくりが難しい人も多いはず。
ここでおすすめなのが固定費削減だ。
そもそも、変動費とは、食費や洋服代、交際費など、その月ごとに変わる費用のことで、固定費とは家賃やスマホ代、水道光熱費など、毎月ほとんど変わらない費用のことを指す。
飲み会を減らしたり、1円でも安いスーパーを探したり、という変動費の節約は一時的に効果があってもストレスで続かないことが多く、一度見直せば、自然と長く続けられる固定費削減の方が大切なのだ。
本書で紹介されている下記見直しリストに照らして、本当に必要なものを考えてみよう。
また、本書では、固定費削減の中でも真っ先に見直してほしいスマホ代についても深掘りしている。格安SIMの基本的な知識から3大キャリアの新サービスまでを取り扱い、読者の特徴にあったサービスを比較・紹介しているので必見だ。
上記のように順を追って、丁寧に説明してくれるほか、「3000円から始めるつみたてNISA」「人気の投資信託」「国の社会保険」「NISAとiDeCoの違い」「楽天経済圏を使い倒す方法」「おすすめのふるさと納税サイト」など、資産形成と聞いてハードルを高く感じる人でもイチから気楽に学べる内容が盛りだくさんだ。
知識ゼロ、貯金ゼロ、ズボラでも始めることができるので、老後に2000万円が必要とも言われる時代に、この本を手に取り、資産形成の最初の一歩を踏み出してみよう!