いいエージェント、ダメなエージェントを見分ける方法/マンガ 転職の思考法
公開日:2021/9/16
「転職は、裏切り者のすることだ」
「この会社でダメなら、ほかの会社でもダメ」
終身雇用制度が崩れ、ビジネスが多様化している今でも、「新卒で入社した会社に勤め続けるべき」と、転職に罪悪感を抱く人は多いはず。
けれど、どこにでもいる普通の働く人が、転職を考えることで自分が活躍できる場所を手に入れることができる、それが「転職の思考法」によって得られる自由への第一歩です。
書籍『マンガ このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』(北野唯我:著、星井博文:シナリオ、松枝尚嗣:マンガ/ダイヤモンド社)を読んで、登場人物たちと一緒に悩みながら、仕事について、人生について、今一度考えてみませんか?
※本記事は『マンガ このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』から一部抜粋・編集しました。
転職するための5つのチャネル
転職活動では順序が重要です。まずは自分の棚卸し。そして、自分がどういう働き方をしたいのか、どんなキャリアを歩んでいきたいのかを見極めます。それから転職先の候補となる会社をピックアップしていきます。おおよそ行きたい会社が固まってきたら、次のいずれかのチャネルで当たっていきましょう。企業は通常、目的に応じて、これらのチャネルを使い分けて採用活動をしています。
チャネル1 ヘッドハンティングを受ける
引く手あまたの人気職種、重要なポジションではヘッドハンティングが行われています。なぜなら、そういう人材は、今いる会社でも十分に活躍しているので、自ら転職しようとは思わず、なかなか転職市場には出てこないからです。そこで、知り合いづてやエージェントを通した引き抜き、つまりヘッドハンティングが行われます。
チャネル2 転職エージェントに登録し紹介を受ける
転職エージェントは、経歴や希望条件などを登録すると、転職できそうな会社を紹介し、面接の段取りもつけてくれます。ただし、ミスマッチが発生する可能性もあるので、注意すべき点がいくつかあります(詳細は次項以降で述べます)。
チャネル3 ダイレクトリクルーティング型のサービスを使う
経歴や実績などの情報を登録しておくと、企業から直接アプローチが来るのが、ダイレクトリクルーティング型のサービスです。企業からのアプローチしかできないものと、求職者からも企業に応募できるものがあります。
チャネル4 SNSなどマッチングサービスを使う
採用メディアのSNS型のマッチングサービスを使うと、企業と応募者がカジュアルに情報発信しあえます。応募者は職場や仕事のイメージがつかみやすく、企業側はSNSでのやりとりや応募者の過去の投稿内容から、人柄を深く知ることができます。
チャネル5 直接応募、または友人から紹介してもらう
求人を検索したり、企業のホームページの採用窓口から連絡する直接応募、あるいは、その会社で働く友人・知人に紹介してもらって選考に進む方法(リファラル採用)があります。
転職エージェントのビジネスモデルを知る
無料で企業を紹介してくれる転職エージェントは、求職者にとっては魅力的な存在です。転職先が決まっても、成約料を要求されることもありません。
けれども、転職エージェントから紹介される企業だけで、転職先を絞ってはいけません。それには理由があります。
転職エージェントは、成果報酬型のビジネスモデルであることがほとんどです。企業に求職者を紹介し、内定・入社すると報酬が発生します。そして、その報酬を受け取る権利は「転職希望者が企業と最初に接触した時点」に確定します。
つまりは、早い者勝ち。たとえば、ある人が、2つの転職エージェントに登録していたとします。そして、両方のエージェントから同じ企業を紹介されて、最終的に入社したとしましょう。そのときに報酬をもらう権利を持つのは、先に企業との接点をつくったエージェントです。
このような事情があるので、転職エージェントの多くは、「ぜひ、早く会ってみてください!」と企業を紹介し、積極的に面接を勧めてくるのです。
もう1つ、企業が高い報酬を払ってまでエージェントを使う理由も考えてみましょう。もちろん、優秀な人材がいたら、お金がかかってもいいから採りたいという企業もあるでしょう。けれども、転職エージェントを使いまくっている企業の中には、直接応募では受けてくれる人がいないとか、離職率が異常に高くて人が足りていないという場合もあるので、注意してください。
ただ、数年前に比べ、転職エージェントの中にも、求職者のキャリアにきちんと向き合って転職活動を支援するコンサルタントが増えているようです。実際、キャリア相談のサービスを組み込んでいるエージェントもあります。転職エージェントのビジネスモデルを理解しつつ、うまく活用していきましょう。
本来は転職を決断する前に「自分のキャリアをどうしたいのか」を決めるべきなのですが、「そこがモヤモヤして、よくわからない」という人も、現実的には多いです。最近は、キャリア相談に特化した有料のサービスを提供する会社(例:ポジウィルキャリア)もあります。転職エージェントに具体的な会社の相談をする前に、そうしたサービスを使って自分のキャリアプランをしっかり決めるのも一案です。