絵が苦手な人、集合! 絵心がなくてもゆるかわいいイラストが描けるようになる本
公開日:2021/9/10
どうせ絵なんか描けない――筆者も、長い間そう思ってきたひとりだ。まず、描こうにもどこから描き始めればいいのかわからない。また、描いた絵が何なのか相手にわかってもらえないのも絵が下手な人の“あるある”だろう。例えば、犬を描いたはずなのに、相手にアヒルだと思われてしまった、というように……。
そんなときに出会ったのが『シンプルなコツでうまくなる 魔法のイラスト帖 描けばみんなに笑顔が広がる!』(KADOKAWA)だった。
本書は、わかりやすい解説で、絵が苦手な人でも迷わず描けるように丁寧にアテンドしてくれる。その結果、気づいたら誰でも“描ける人”になっているというのがこの本のすごいところだ。
誰でも「イラストが上手な人っぽく」見える!?
おどろいたのは、「うまく」描くのではなく、「うまく見えるように」描くというこの本のスタンスである。失敗しない絶妙なところをついた描き順に従えば、どんなに絵心がなくてもなぜかイラストがうまく描けてしまうのだ。
イラストが描けるようになると、日常が一気に華やかになる。例えば予定と一緒にミニイラストを手帳に描き込んだり、書き置きのメモにイラストを添えることで相手も自分もいい気分になったり。お子さんがいる方は、手作り塗り絵なんかにも活用してもいいかもしれない。
“失敗しない描き順”で描くから、誰でも描けてしまう
著者のちょさんは、本書で失敗しない描き順を紹介してくれている。具体的に、いくつか抜粋して紹介しよう。
例えば、雲(くもりのマーク)を描くときは、一気に描かず、曲線同士をつなげるように描いていく。もこもこの幅もそろえるのもうまく描くコツだ。
乗り物は車体から描き始めるというのも、この本が提唱する失敗しない方程式のひとつ。基本は「車体→窓→タイヤ」の順で描き、車体の形をアレンジすれば、だいたいの乗り物は描けるようになる。簡単に描けるイメージのある自動車も、ちょっとしたポイントを押さえることでよりリアルなイラストに近づけることができる。
“それっぽく”見せるためのちょっとしたコツも伝授
失敗しない描き順に加え、“それっぽく見せる“のもイラストを描く上で大切なこと。いかに特徴を押さえて描けるかがカギとなるが、本書はその点も先回りして教えてくれる。
例えば、犬は「耳→輪郭」の順で描くのが基本。これに犬の特徴を加えていく。柴犬は、小さな耳をピンと立ててみると、ぐっと柴犬らしさが高まる。耳の大きさは大きすぎるとキツネに見えてしまうので注意が必要だ。
同じ犬でも、犬種が変われば特徴も変わる。ゴールデンレトリバーは、面長の顔が特徴だ。垂れた耳から描き始め、目と鼻を離すと大人っぽい顔つきに。
リアルにしすぎず、あえてレトロっぽくするほうが“イラスト映え”するものもある。例えば、電話のイラストは昔ながらの黒電話風に描いたほうが断然かわいい。ダイヤル盤の丸を大きめに描くとレトロ感がアップする。
電話があったことを伝えるちょっとした伝言メモにもぴったりのイラストだ。
このようなノウハウに加え、かわいく見せるためのイラストのポイントなども本書には多く掲載されている。いつもの手帳にワンポイントイラストを加えたり、仕事上イラストを描くことがある方は取り入れてみるなど、楽しみ方は無限大! 本書を片手にイラストの世界へ足を踏み入れてみるのはいかがだろうか?
文=オカムラカナヲ
【著者プロフィール】
ちょ
苦手な人でもふしぎと描けるかわいいイラストをInstagramで発信するイラストレーター。イラスト上手に見せる“ちょっとしたコツ”を紹介したInstagramのポストが大人気。
Instagram:@chiii__0321