謝罪や断りの言葉選びは慎重に! 誠実さが伝わるスマートなフレーズ/人間関係がラクになる 言い方&返し方の技術
公開日:2021/9/22
「何か言われてもうまく返せない」「言葉足らずでイラッとさせてしまう」など、会話でのモヤモヤを実感することはありませんか?会議がウェブ上で行われるようになっても、メールでのやり取りやSNSの活用が増えても、コミュニケーションの重要性は変わりません。
そこで、伝える力【話す・書く】研究所所長である山口拓朗さんが、会話がスムーズにいくようになるうまい言い方や、一目置かれるスマートな返し方をご紹介します。
謝罪や断り、スマートなフレーズとは?
※本作品は山口拓朗著の書籍『好かれて人間関係がラクになる! 言い方&返し方の技術』から一部抜粋・編集しました
3章 謝罪する・断る
謝罪や断りには、気持ちを添えることが大切。どんなに心で思っていても、言葉で伝えなくては意味がありません。相手の気持ちに配慮しながら、きちんと伝わる言葉を選びましょう。
\ モヤモヤ / × すみません。部下のミスです。できれば私がやりたいのですが…
\ スッキリ! / 〇 このたびの無礼をお許しください。私の監督不行き届きでした
言い方次第でこんなに好印象に!
謝罪・反省を伝える
\ ムムッ… / × 厚くお詫び申し上げます
\ スマート! / 〇 誠に申し訳ございません。深くお詫び申し上げます
言いかえPOINT
お礼を伝えるときに使う「厚く」を謝罪で使うのは間違い。「厚く+お礼」「深く+お詫び」と覚えておきましょう。お詫びのシーンでは「申し訳ございません」のほかに「お詫びの申し上げようもありません」「弁解の余地もございません」、少し軽やかな「大変失礼いたしました」「ご面倒をおかけいたしました」なども使えます。
\ う~ん / × すみません! 許してください
\ スッキリ! / 〇 深く反省しております
言いかえPOINT
「許してください」は「(自分のことを)許してほしい」という、やや自分勝手な言葉です。使用する相手はある程度親しい間柄の人にとどめておきましょう。自分に矢印を向けて「深く反省しております」と反省している姿勢を伝えるほうが、誠実さが伝わり、結果的に許しをもらいやすくなります。
\ ムムッ… / × 部下のミスです
\ スッキリ! / 〇 私の監督不行き届きでした
言いかえPOINT
ミスが起こった原因を正しく伝えることは大事ですが、自分以外の人に責任を転嫁するような言葉では、謝罪の気持ちが伝わりません。言い逃れや言い訳も禁物! 部下がミスした場合は、管理者である上司が「責任は自分にある」という姿勢を示すことが肝心。その際に「監督不行き届き」という言葉が有効です。
スマートに断る
\ ムムッ… / × ごめんなさい
\ スマート! / 〇 せっかくのお誘いですがご協力することができません
言いかえPOINT
「ごめんなさい」や「すみません」では、断りの意思が明確に伝わりません。「せっかくのお誘いですが」「大変心苦しいのですが」「願ってもないお話ですが」「不本意ながら」などのクッション言葉を添えつつ「できません」と明確に伝えましょう。ちなみに「誠に遺憾ですが」という少し硬めのフレーズもあります。
\ 威圧的 / × それはできません
\ スマート! / 〇 ご希望に添えず申し訳ございません
言いかえPOINT
「できません」と一方的に断るのは、スマートではありません。声をかけてくれたことへの敬意と感謝の気持ちを込めて「ご希望に添えず申し訳ございません」と丁寧に返しましょう。内容に応じて「ご辞退(ご遠慮)させていただきます」「私の力不足でございます」などの表現も使い分けましょう。
\ モヤモヤ / × できればやりたいのですが
\ スマート! / 〇 都合がつかず申し訳ございません
言いかえPOINT
断りづらいときに、うっかり「できればやりたい」「本当はやりたいんだけど…」などと言ってしまうと、「やりたいならやってよ!」と詰め寄られる恐れがあります。もちろん、「できません」ではストレートすぎます。相手の気持ちを踏みにじらないよう、誠意をもって丁寧かつシンプルに断りましょう。
\ う~ん / × お受けできかねます
\ デキる人! / 〇 誠に残念ですがお受けいたしかねます
言いかえPOINT
「かねる」は「~することが難しい」「できない」という意味です。つまり、「でき+かねます」は意味が重なった不自然な言い回し。「~しかねます」というのが正しい表現です。この「~しかねます」は比較的やわらかい表現なので、きっぱりと断るのがためらわれる場面でも使用しやすいはずです。
\ イラッ / × それは厳しいです
\ スマート! / 〇 あいにく○○できません
言いかえPOINT
「厳しいです」は、「できません」という断りの言葉を使うのが心苦しいときに使われがちです。しかし、意図が伝わりにくく、誤解の原因にもなりかねません。「できません」という言葉に「あいにく」「残念ながら」などのクッション言葉を添えれば、残念な気持ちをにじませることができるため角が立ちません。