マンガで学ぶ「転職の思考法」! 自分の市場価値を知り、よりよい職場環境を手に入れよう
更新日:2021/9/13
現在、コロナ禍によって人流の抑制が叫ばれ、企業にはテレワークが推奨されている。しかし世の中には、容易にテレワークに対応できない業種が存在するのもまた事実だ。とはいえ、生命の危険があるのだから、なるべく人との接触を避けつつ仕事をしたいと考えるのは当然。そう考えれば、やはり「転職」という選択肢も視野に入ってくるだろう。だが実際、そう簡単に転職などできるのかと考える向きは少なくあるまい。『マンガ このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』(北野唯我:著、松枝尚嗣:漫画、星井博文:シナリオ/ダイヤモンド社)は、転職に悩む人々の不安や疑問を、漫画で分かりやすく解消してくれる一冊である。
本書は2018年に刊行された書籍を漫画で理解しやすいようにまとめたもの。ゆえにコロナを特に意識した部分はなく、純粋に転職というものをどう捉えるかということが描かれている。主人公の女性会社員・平田奈美が、先輩たちからさまざまなアドバイスを受けながら、理想の職場を見つけ出すというのが大筋だ。そこで、奈美が受けた助言の中で、気になった部分を紹介してみよう。
自分の「市場価値(マーケットバリュー)」を知ろう
転職を考える人の中には「自分は転職できるだけの価値があるのか?」と悩んでいるかもしれない。しかし本書ではそれは「自分の本当の市場価値を知らないだけ」だという。そもそも会社で給料を貰っている以上、価値は確かに存在するのだ。市場価値を測るには「技術資産」「人的資産」「業界の生産性」があり、そういう部分を意識して自分の価値がどういうものか洗い出してみるといいだろう。そして一番大事なことは「転職を恐れないこと」だ。特に初めての転職だと、誰でも気後れするのは当然。それはなぜかといえば、「人生で初めて何かを手放して、何かを選ぶ決断をする」からだ。今までの環境を捨てて新たな環境に飛び込めるか、その決断ができるかどうかにかかっているのである。
大事なのは「転職できる」というカードを持つこと
本書で指摘するのは、転職の思考法とは転職することではなく、いつでも転職できるというカードを持つことだという。現在の会社で満足ならそれに越したことはないし、活躍できそうにないなら他に求めればいいのだ。そのためにすべきことは、「自分自身の棚卸し」をすること。どういうことかといえば、たとえば「自分はどんなことをしてきたのか」「自分は何ができるのか」「自分は何が得意で、何を好むのか」を書き出してみるのだ。自身がこれまで会社で携わってきたプロジェクトやその成果など、書き出すことで自分がどういった人間か、どういうことが得意なのかが見えてくるはず。それを知っておけば転職も考えやすくなるだろうし、転職という選択肢があるだけで、たとえば上司の理不尽な言動に対して「NO」といいやすくなるに違いない。
最後に、本書でも語られているが、転職は決して「悪」ではない。「転職は裏切り」などと考える上司がいたりするかもしれないが、その考えかた自体が間違いなのだ。誰にだって働く場所を選ぶ権利がある。自分が今の会社にいて本当に幸せか、将来性はあるのかなど、少しでも考えたことがあるなら、本書を参考にしてみることをオススメしたい。
文=木谷誠