あなた“らしさ”がきっと見つかる! 15人の偉人から学ぶ生き方とは

ビジネス

公開日:2021/9/24

キラリモンスター ちょっと変わった偉人伝
『キラリモンスター ちょっと変わった偉人伝』(小川凜一、砂田智香:著、大野太郎:イラスト/大和書房)

 あなた“らしさ”とは何だろう? 言い換えれば、自分の強み・弱みを含めた個性だ。多かれ少なかれ、成功者やあることを極めた人、周りに流されず楽しそうに生きている人は、この“らしさ”が眩しいほど輝いているように見える。

 とはいえ、個性は考えようによっては、時に自分を苦しめる種にもなる。長所であり短所にもなり得る個性は、他人との“違い”を際立たせるのだ。自分の考えを曲げない信念は「頑固・偏屈」と言われることがあるだろう。一人の作業が得意だけれど、人付き合いが苦手なら「コミュ障」と言われることもあるはずだ。

 そんな周囲との違いに悩んでいる人は、ぜひ『キラリモンスター ちょっと変わった偉人伝』(小川凜一、砂田智香:著、大野太郎:イラスト/大和書房)を読んでほしい。本書は、YouTuberやモデル、映画監督、お笑い芸人、起業家など、ひと癖もふた癖もある“自分らしさ”を持つ、現在もなお活躍し続ける偉人15人を紹介。彼らが自分らしさとどのように向き合ったのか。それを知ることで自分が進む道のヒントが見つけられる。

 また、本書では自分らしさを「キラリモンスター」と表現。書籍としては児童向けだ。しかし、自分らしさに悩み、自分が進むべき道が定まらないのは子どもだけではない。大人こそ、本書を読むことでさまざまなヒントや気づきが得られるはずだ。本稿では、本書に書かれている一部を紹介したい。

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YouTuberのパイオニア HIKAKIN

 日本で最も有名なYouTuberのひとりであるHIKAKIN氏。彼の個性は、幼少期から発揮されるほどの負けず嫌いだ。「友達に負けるのは絶対にイヤ」「得意分野で負けるのはあり得ない」。そんな性格からチームワークが苦手だったそう。

 11歳ではスキージャンプ、12歳でヒューマンビートボックスに出会い、この2つで一番を目指すことに。一つの転機は16歳、必死に練習を続けたスキージャンプの大会で8位に入賞。普通であればここで満足したり、次に頑張ろうと思ったりするものだが、HIKAKIN氏は違う。スパッとスキージャンプを諦め、ヒューマンビートボックスに没頭していく。

 21歳、ついにYouTubeと出会う。そこでとことん動画の傾向を分析。こだわりが強い性格が功を奏し、ヒューマンビートボックスの動画がバズり、人気YouTuberの仲間入りを果たす。彼の強みはやはり「こだわりの強さ」。一度信じたものはとにかく続ける。そして、一切手を抜かない。ある意味の我の強さが、道を切り開くことができた要因だろう。

有名企業をいくつも起業する起業家・家入一真

 国内最大のクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」、ネットショップ作成サービス「BASE」など、さまざまなネットサービスを起業し、成功させてきた家入一真氏。彼の個性は先ほど紹介したHIKAKIN氏とは大きく異なり、イヤなこと・怖いことがあれば逃げてしまう性格の持ち主だった。

 子どものときからその逃げ癖は発揮され、注射や学習塾から逃げ出し、中学生になると友人関係から逃げ出して引きこもりに。その後、プログラミングと絵を学び、21歳のときにデザインの会社に就職。しかし、またもや人間関係が原因で退職することとなった。

 誰かが作った居場所に飛び込み、いずれも逃げ出してしまう。そこで居場所を探すのではなく、自分で作り出す起業にチャレンジ。困難に対する“逃げ方”も変化した。ただ物理的に逃げ出すのではなく、出来ることを試したり、仲間とアイデアを出し合ったりすることで状況から逃げ出す方法を見つける。こうした意識改革も追い風となり、複数の会社を立ち上げ、それらを成功させる起業家となった。

「逃げる」のは悪いこと。そう言われがちだが、そこがどうしても辛い、自分の未来につながらないならば、思い切って逃げることは有効な一手となる。「逃げた先にも居場所はある」とアドバイスを送る家入氏。一度、立ち止まって今の自分の居場所というものを考えてみてはどうだろう。

 本書を読んでいると「この人は自分と同じ考え方だ」「この人の考え方は分からない」と感じることがある。その感覚が、自分というフワフワした存在の輪郭を少しずつはっきりさせてくれるはずだ。

 あなた“らしさ”とは何だろう? その答えを本書から見つけてほしい。子どもだけではない。大人のあなたも。

文=冴島友貴