町中華のパラパラチャーハンが家でもできちゃった! 常識を覆すその極意とは?【作ってみた】

暮らし

公開日:2021/9/25

うちで作るチャーハンがウマい!
『うちで作るチャーハンがウマい!』(佐藤樹里/池田書店)

 中華料理店のチャーハンと、家で作るチャーハンはまったくの別物だ。店で出てくるような米1粒1粒が卵と油でコーティングされた理想のパラパラチャーハンは、大きな中華鍋と強い火力がないと作れないと思っていた。

 が、それが思い込みであることを『うちで作るチャーハンがウマい!』(佐藤樹里/池田書店)というレシピ本が教えてくれた。“チャーハンが大好きすぎる管理栄養士”としてメディアにも登場する著者の佐藤樹里さんによれば、ルールさえ守れば誰でも家でおいしいチャーハンが作れるというのだ。そこで、自慢じゃないが家でチャーハンを作って1度も家族に褒められたことのないズボラ主婦代表の筆者が、本書を参考に本当においしいパラパラチャーハンが家で作れるかを検証してみることにした。

advertisement

店の味を家で再現できる「チャーハン5箇条」

 まず、本書が提案するおうちでおいしいチャーハンを作るための5箇条を見てほしい。

【チャーハン5箇条】
一、炒める前に材料をすべて切ってそろえておく
二、油は思い切って多めに使う
三、基本的に中火で炒める
四、鍋は振らない
五、卵とごはんを最初にしっかりと均一に混ぜる

 コレを見て、自分が知っているチャーハン作りのコツと違う…と思った人、多いんじゃないだろうか? これまで「家庭のコンロは火力が弱いから」「大きなフライパン持ってないから」と自分の失敗を道具のせいにしてきた筆者も、“中火で炒める”“鍋は振らない”というこの5箇条にはいささか驚いた。

「もっとおいしく作るには、米をかために炊くこと(水分量を通常の量の80%に)、具材を細かく刻んで同じ大きさにそろえることも大切です。そうすることでパラパラになり、具材に火が均一に通って、見た目もよくなるからです(本書より)」

 極意を頭に叩き込んだら、あとは実践するのみ! 今回は本書のレシピの中から3品作ってみたので紹介しよう。

市販のスープを活用「簡単さっぱり! 酸辣湯風スープチャーハン」(p.28)

うちで作るチャーハンがウマい!

 まずは基本の定番チャーハンに酸辣湯スープをかけた1品から。熱したフライパンにごま油をひいて、中火でにんにく・しょうが(各チューブ)、豚バラ肉を炒め、端に寄せておく。続いて溶いた卵を入れ、半熟程度になったらごはんを加え、全体をよく炒め、塩・こしょうで味つけし、ねぎを入れて全体を炒め合わせる。器に盛り、酸辣湯スープをかける。

 前出の5箇条をしっかり守って炒めたら、いつものフライパンでしっとりパラパラのチャーハンが完成したからびっくり! 家族も「これはうまい!」と一気に平らげてくれた。酸辣湯スープは市販のフリーズドライスープでOK。チャーハンの周りにかけるだけで、簡単にスペシャルなスープチャーハンになるので試してみてほしい。

パリパリ食感が楽しい!「のり塩ポテチのチャーハン」(p.36)

うちで作るチャーハンがウマい!

 続いて、これは食べてみたいと思ったのがポテトチップスを使ったチャーハン。作り方は熱したフライパンにサラダ油をひき、中火で溶いた卵を入れて軽く混ぜ、卵が半熟程度になったらごはんを入れて炒める。ねぎ、ハムを加えて鶏ガラスープの素(顆粒)、塩・こしょうで味を整え、鍋肌からしょうゆを入れて炒め合わせる。火を止めてポテトチップスを入れ、余熱で軽く炒め、器に盛り、豆苗とポテトチップスを飾ればできあがり。

 ポテチのパリパリとした食感が小気味よく、これには子供も大喜び! ごはんと一緒に炒めたポテチは逆にしんなりしていて、これはこれでおいしかった。肝心のチャーハンもしっとりパラパラのできばえ。2品作った段階で、“店の厨房じゃなくても理想のチャーハンはできる”ということを確信した。

粉チーズをたっぷり振って「カルボナーラチャーハン」(p.52)

うちで作るチャーハンがウマい!

 本書に掲載されている88のチャーハンレシピの中には、変わり種もたくさん! 最後は「SNS映えするチャーハン」のページから、カルボナーラチャーハンをチョイス。

 作り方は熱したフライパンにオリーブオイルをひき、中火でにんにく、玉ねぎ、しめじ、ベーコンを入れてよく炒めて端に寄せる。溶いた卵白を入れて混ぜ、ごはんを加えて全体を炒め、コンソメ・バターを入れて全体を混ぜ、塩・こしょうで味を調える。器に盛り、卵黄をのせ、粉チーズと黒こしょうをふる。

 卵黄をとろ~り絡めて食べてみると…まさにカルボナーラ! パスタを作るよりも時短で、しかも簡単にできた。フライパン1つで作れる手軽さもいい。粉チーズはたっぷりふるのがおすすめだ。

 3品作ってみて感じたのは、どのレシピも具材や作り方が実にシンプル。冷蔵庫のあまり食材を使ってチャチャッとできるから、忙しい日の時短レシピとしても活用できる。

 本書には、文京区『兆徳』や板橋区『丸福』など、町中華の名店のチャーハンの味を自宅で再現できるレシピも掲載。家でチャーハンを上手に作れた試しがないという人も、本書が手元にあれば、「得意料理はチャーハンです」といえるようになるかもしれない。

調理・文=齋藤久美子