イライラがおさまらない…。怒りのストレスとの付き合い方/自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40⑥

暮らし

公開日:2021/10/7

ココロジー・酒井和夫著の書籍『自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40』から厳選して全10回連載でお届けします。今回は第6回です。TwitterやInstagramで話題のメンタルケアメディア・ココロジーの知識が一冊の本になりました。「自分いじめの呪い」とは、嫌なことや悩みに直面したとき、つい自分で自分を苦しめてしまう思考や感情のこと。そんな「自分いじめの呪い」を解く方法を、心理学の知識をもとに2ステップでわかりやすく解説します。これを読めば、自分で自分を苦しめる思考や感情から抜け出すヒントがきっと見つかるはずです。

自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40
『自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40』(ココロジー:著、酒井和夫:監修/KADOKAWA)

自分いじめの呪い イライラに振り回されてしまうとき

なんで私は怒りをコントロールできないんだろう…

自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40

「腹が立つ出来事があって、人や物に八つ当たりしてしまった」「一度イライラするとずっと引きずってしまい、仕事や家事に集中できず、夜も眠れなかった」。

 このように、怒りの感情をコントロールできず、困った経験ってない?

 でも時間がたって冷静になると「なんであんなことで怒ってたんだろう」と自分を責めて、後悔することも多いよね。

 怒りの感情を抱かずに生きていくのは難しいけど、怒りをコントロールする方法を覚えれば、人との衝突やイライラした気持ちを引きずるムダな時間が減って、肩の力を抜いて生活していけるはず。

 ここでは怒りのメカニズムと、怒りをコントロールする方法を紹介するね。

STEP1 原因を知る
怒りのメカニズム

「怒り」はマイナスの感情だと思われがちだけど、生きていくために必要不可欠な感情でもあるんだ。心理学において「怒り」は、「自分を守るための感情」だと言われているよ。

 怒りには、悲しみや不安などの感情も含まれていて、生きていく中で少しずつ心に蓄積していくんだ。でも人間の心には人それぞれに決まった容量があるから、心がキャパオーバーしてしまった結果、「相手にどなる」「手を出してしまう」といった形で怒りが表にあふれてしまうんだね。

 でも、怒りが容量に達しても、適切に怒りを表現する機会があるとは限らないよね。そうなると、ストレスだけが溜まる一方で、心と身体に不調が生じる可能性が高くなるよ。つまり人間は怒りを吐き出すことで心身の健康が保たれているとも言えるんだ。

 ここで言う「怒りをコントロールする」とは、怒りをおさえる方法ではなく、怒りを上手に外に吐き出す方法ととらえるのが適切かもしれないね。次のステップで具体的な対策を見てみよう。

自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40

STEP2 呪いを解く心のクセづけ
怒りはできるだけ具体的に吐き出そう

 怒りを相手に伝えるときって、「ありえない」「ムカつく」などの言葉ばかりを、つい言いたくなっちゃうよね。でも「ありえない」「ムカつく」といった抽象的な言葉だけだと、「自分がなぜ怒っているのか」が相手に理解してもらえず、衝突してしまう可能性が高いんだ。

 大事なのは、できるだけ怒りを具体的に吐き出すこと。例えば「どんなことに自分は怒りを感じたのか」「相手にどんな対応をしてほしかったのか」を落ち着いて相手に伝えてみよう。

 そうすることで、自分の気持ちの整理ができてストレスを溜め込みにくくなるし、相手にも伝わりやすくなるので、人間関係がスムーズになっていくよ。

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Topic どうしても怒りが爆発しそうなときの対処法

対処01 違うところに意識を向ける
衝動的な怒りが生じたときは、まずはその怒りから意識をそらそう。例えば、数字をイメージして8.7.6と逆算したり、目をつむって深呼吸をしたりするのがおすすめ。時間をかけて息を吐くと副交感神経が優位になり、リラックスしやすくなるんだ。

対処02 五感を刺激する
対処01で効果が薄い場合は、怒りを強制的にシャットダウンしよう。好きな香りを嗅ぐのもいいし、壁のシミをひたすら探してみるのも効果的。このように五感をフル活用すると、怒りから意識をそらしやすくなるんだ。

まとめ

 怒りは、私たちの人生から切っても切り離せない感情なんだ。だからこそ上手に吐き出しながら、うまく付き合っていきたいよね。できるだけ具体的に怒りを伝えることで、自分も周囲も変化していくはずだよ。

 ただ、どうしても怒りを吐き出してはいけない場面もあると思う。そんなときは上記の対処法を試してみてね。

<第7回に続く>