よけいなひと言で自己嫌悪…。自分自身を客観視するクセをつけよう/自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40⑦

暮らし

公開日:2021/10/8

ココロジー・酒井和夫著の書籍『自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40』から厳選して全10回連載でお届けします。今回は第7回です。TwitterやInstagramで話題のメンタルケアメディア・ココロジーの知識が一冊の本になりました。「自分いじめの呪い」とは、嫌なことや悩みに直面したとき、つい自分で自分を苦しめてしまう思考や感情のこと。そんな「自分いじめの呪い」を解く方法を、心理学の知識をもとに2ステップでわかりやすく解説します。これを読めば、自分で自分を苦しめる思考や感情から抜け出すヒントがきっと見つかるはずです。

自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40
『自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40』(ココロジー:著、酒井和夫:監修/KADOKAWA)

自分いじめの呪い ついよけいな一言を言ってしまうとき

なんであんなことを言ってしまったんだろう…

自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40

 友達や同僚と楽しく話していたのに、自分のちょっとした一言で相手を傷つけてしまったり、その場を凍らせてしまったりした…。そんな一言多くて損をしてしまった経験のある人は多いと思う。そして後から「なんであんなこと言ってしまったんだろう」と後悔が押し寄せて自分を責めてしまうんだよね。

 でも大丈夫。よけいな一言は、衝動的な発言だから、自分自身ではコントロールできないと思い込んでいるかもしれないけど、少しのコツを意識すれば減らしていけるんだ。

 そのコツは2つあるんだけど、1つ目は自分がよけいな一言を言ってしまうときの状態を知ること。そして2つ目は自分自身を客観視するクセをつけることだよ。

 ここでは、この2つのコツをもとに、具体的な対策を紹介するね。

STEP1 原因を知る
よけいな一言を言ってしまう原因

 よけいな一言を言ってしまう原因のひとつは、「自分のことをわかってほしい」という気持ちが潜んでいるから。少なからずみんなが持つ感情ではあるけど、このタイプの人はその思いが強すぎて、相手に対して「100%自分のことを理解してほしい」と過度に自分中心的な状態になってしまっているんだ。

 また、いつも人の評価を気にして生きている人は、周囲から見下されることに過剰に恐怖を感じてしまうから、自分自身を守るのを最優先する状態になってしまっているんだ。その結果、一時的に相手の立場を考えられなくなったり、自分が発した一言の影響を予測できなくなったりしてしまうんだね。

 でもよけいな一言を言ってしまう人は、意図的に相手の地雷を踏んだり、傷つけたりしようとしているわけではなくて、ただ相手の気持ちを想像するのに慣れていないだけなんだ。次のステップでは、相手の気持ちを想像するのに効果的な方法を紹介するね。

自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40

STEP2 呪いを解く心のクセづけ
自分の中に会話の検閲官をつくろう

 よけいな一言を言ってしまうのをやめるには、会話をしている中で自分が何か言葉を発する前に、「これを言ったら相手はどう思うか? どう返してくるか?」と、いつも想像を巡らせる心のクセをつけていこう。いわば心の中にいるもう一人の自分が、発する言葉ひとつひとつを検閲していくイメージを持つとわかりやすいかもね。

 でもすべての発言を意識するのは難しいから、まずはゆっくりと話すことを心がけよう。早口で話すと、自分の思いとは違う思いを口にしてしまう場面があるからね。

 これは他人との会話の場数を踏みながら練習するのが効果的。気軽に話せる家族や友人と試してみるのをおすすめするよ。

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Topic 自分自身を客観視するために必要な「メタ認知能力」

 先述したように、よけいな一言を言ってしまうのをやめるには、自分の発言を客観視することが重要だと伝えたよね。自分を客観的に認識する能力を、心理学では「メタ認知能力」と呼んでいるよ。

 このメタ認知能力を鍛えるためには、物事を「なぜ?」という視点でとらえる心のクセづけが大切。

 例えば上司から怒られたとき、注意内容だけを思い出しても意識が自分に集中しちゃって落ち込むよね。でも、「なぜ上司はあんなことを言ったんだろう」と考えてみると、「上司も責任が多くて大変なんだ」「たまたまイライラしてたのかも」など、上司と自分も含んだ一段上の視点から状況を俯瞰できるよね。

 このように、自分自身の思考を一段上から俯瞰することで、よけいな一言を言おうとする自分の思考に「ちょっと待てよ?」とストップがかけられるようになるんだ。

まとめ

 衝動的によけいな一言を言ってしまうクセがある人は、自分の大切な感情が相手にちゃんと伝わった経験がない場合が多いとも言えるよ。例えば、自分が言いたいことをいつも我慢したり、逆に泣き叫んでようやく伝わったりするのが日常だったのかもしれないね。でもメタ認知能力を高めれば、コミュニケーションの不全感が少しずつ解決されていくはずだよ。

<第8回に続く>