「また恋をしてもいいですか?」恋愛に自信を失った「枯れジョ」が、天から授かったイケメンに愛されながら潤いを取り戻していくラブコメ
公開日:2021/10/3
仕事は順調だが家に籠りがちで出会いがなく、いつの間にか恋愛がご無沙汰…なんてことはないだろうか。きっといつかきっかけがあるだろうと日々いそしむが、誕生日などの節目にはつい、この先も一人なのかとよぎってしまう。『枯れジョが恋していいですか』(ハルタミミ/KADOKAWA)は、恋愛に自信を失いつつある女性が、奇跡でも何でもいいから! と願ったら、本当の恋愛に出会う夢のある物語だ。
主人公の莉子はそんな具合にアラサー最後の誕生日を迎え、いよいよ枯れ女子…いわゆる「枯れジョ」の深まりを感じ始めたところから物語は始まる。「好きでこんな風になってるんじゃない。でもイケメン好きはあきらめられない。私をうんと愛してくれる彼氏さえいれば!」そう心で叫んで家の外に出ると、以前猫を拾った場所に国宝級のイケメンが!?
彼・榊銀之助(さかき ぎんのすけ)通称・銀ちゃんは、笑顔の柔らかいイケメンなのに(莉子は、イケメンは性格が悪いと勝手に思っている)、底抜けにピュアで莉子に懐いてきて突然のベタ甘ライフがスタートする。
本作は言ってしまえば、あり得ない話。家の前でイケメンと出会って恋が始まるまでは。でも、もしそんなことがあったら、どうなるだろう? ここからのストーリーには、彼氏が毎日部屋に通ってきて一緒にご飯を食べたりなどのマンガ的な夢の部分と、急な恋愛で服がない、どこへ行けばいいかわからない、女子力が欲しい、などの女性のリアルな部分がバランスよく描かれている。
一方、銀ちゃんの方も実は「残念イケメン」と言われていたり、自分の現状に自信がない一面があって…。そんな2人なので2巻に進むと、例えば別の異性と仲良くする相手に嫉妬したり、過去の恋愛の失敗と重ねるなど、知らずに積みかさなっていた自分の弱さに直面する。彼はこれをどう乗り越えるのか。
女性として自信を無くしつつあった莉子が、銀ちゃんとの出会いで徐々に潤い立ち直っていく姿は読んだら明るい気持ちになれること間違いなし。「枯れ女子」×「残念イケメン」がどんな具合にお互いかみ合っていくのか、恋の行方を見届けてほしい。
【著者プロフィール】
ハルタミミ
代表作「ダメジョのルームシェア」はピッコマにて10万人以上読者を獲得。
ちょっとダメなところがあっても頑張れば明るい気持ちになれる、という思いを込めてマンガを描き続けている。
Twitter:@mimitaruha