日本のことわざ「月とスッポン」。マレーシアではあの果物に!? /世界のふしぎなことわざ図鑑
更新日:2021/10/15
ことわざを通して世界の旅に出かけませんか?
少し例えるモチーフは違うけれど、世界にも同じ意味のことわざがたくさんあります。
日本の有名なことわざ「ネコに小判」が、インドでは「サルにしょうが」、フランスでは「豚にジャム」。「月とスッポン」はマレーシアでは「キュウリとドリアン」、フランスでは「昼と夜」と表現されます。
世界を旅するように、たくさんの世界のことわざにふれ、世界中の人々の暮らしぶりや考えを伝えたい――。著者のことわざ研究家・北村孝一さんが、「日本のことわざ」とよく似た意味をもつ「世界のことわざ」を紹介します。
今回ご紹介する日本のことわざは、「鳥なき里のコウモリ」、「月とスッポン」です。
※本作品は北村孝一:著・伊藤ハムスター:イラストの書籍『320のことわざで 世界が見渡せる 世界のふしぎなことわざ図鑑』から一部抜粋・編集しました。
紙面の色味について、実際の本と色味が異なります。ご了承ください。
日本のことわざ 鳥なき里のコウモリ
意味 すぐれた者や本物のいないところで、つまらない者がえらそうにふるまうたとえ。コウモリは、鳥ではないけれど空を飛び、鳥が巣に帰る夕暮れ時から我が物顔で飛び回ります。
用例 「あの人、いやにいばっていたけど、お医者さんなの?」
「むかし病院で助手をしていたらしい。鳥なき里のコウモリだけど、医者のいないこの島では頼りにする人もいるんだ」
中国のことわざ
山に虎がいないと猿が王様だという
山中無老虎、猴子称大王
説明 トラは強い者の代表。トラがいないと、実力のないサルがいばりだします。
ロシアのことわざ
魚のいないところではザリガニも魚
На безрыбье и рак рыба.
説明 最善のものがないときは、代わりのものでけっこうという意味で使います。
韓国のことわざ
虎のいない谷では兎が先生だ
범 없는 골에는 토끼가 선생이다
説明 強い者や能力のある人がいないところでは、弱い者や未熟な者が先生のようにふるまうというたとえです。トラは強い者、ウサギは弱い者をあらわしています。
世界がわかる まめちしき
韓国では古くからトラが多く、国を守る神ともされ、怖いけれどユーモアもある獣として親しまれてきました。