世界で通用する“本当に賢い人”に誰でもなれる。世界基準の自分を目指そう!/世界の「頭のいい人」がやっていること
公開日:2021/10/26
世界で通用する「頭のいい人」がどんなことをやっているのか興味はありませんか?
優秀な頭脳を持つ人がやっているのは、「空気は読まない」「集中力を身につけない」など、周りを自分のペースに巻き込んでいく力を持っているから。東大、フランス国立研究所、MENSA(高知能者の交流を目的とする国際団体)などで世界のさまざまな「頭のいい人」を見てきた脳科学者・中野信子さんが、「世界で通用する、本当に賢い人達」が実践していることを1冊に集約。少し意識を変えるだけで、誰にでも今日からできるコツが満載です!
この作品は、2012年8月に刊行された『世界で活躍する脳科学者が教える! 世界で通用する人がいつもやっていること』を改題し、一部加筆・修正したものです。
※本作品は中野信子著の書籍『世界の「頭いい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』から一部抜粋・編集しました
プロローグ
自分を磨くことをどんどん楽しむ
はじめまして。中野信子と申します。
この本を手に取ってくださるのは、どんな人だろうか?と想像しながら、この文章を書いています。
恐らくこの本は、一般に「ビジネス書」や「自己啓発書」と呼ばれるカテゴリーの本を集めてある書棚に並ぶことが多いでしょう。その中で、この本に興味を持ってくださる人というのは、「世界の頭のいい人がどんなことをやっているのか知りたい!」という熱意と向上心を持っていらっしゃる人、ということになるかと思います。
そのような人がたくさんいるということは、とても嬉しいことです。世界基準の自分を目指して、自らを磨くのを楽しんでいける人たちがいれば、まだまだこの国も大丈夫だと思うからです。
世界で通用するスキルは、きっと日本国内でも通用するものが多いと思います。
東大、フランスの研究所、MENSAを経て知ったこと
ここで、私の簡単な自己紹介をしておきます。私は東京大学を卒業し、大学院の博士課程では医学系研究科で脳神経医学を専攻しました。東大時代の先輩や後輩には、私などよりずっと優秀で、高いポテンシャルを持つ人が何人もいました。
でも彼らの中には、未来を自分で閉ざしてしまった、という人がいたのです。私にとって、大きなショックでした。これはとても悲しい出来事で、今でも痛みを忘れることができません。
最高学府と呼ばれる大学の学生が、未来に絶望して自ら命を絶っていく。本当なら国を背負っていくような人たちでした。もっと図々しくなって、何度失敗したとしてもしぶとく生き延びてほしかったと、今でも思っています。
東大の大学院で医学博士号を取得した後、私はフランス原子力庁にポスドク(博士課程修了の研究者)として勤務し、世界中のたくさんの「頭のいい人」の姿を見ることができました。
また、どんな面白い人が集うサークルなのかという興味本位で、MENSA(メンサ)の会員になったりもしました。MENSAとは、世界の全人口で上位2%の知能指数に入る人のみが入会を許される団体で、本部はイギリスにあります。ここでは、IQの高い人たちと交流する機会を持ちました。
そして、世界で評価され、活躍しているビジネスパーソンに出会う機会にも多く恵まれました。経営者、技術者など、顔ぶれは様々です。
このような経験を経てきて、強く思ったことがあります。それは、逆境も自分の味方にして、したたかに生き抜いていくのが、「世界で通用する、本当に賢い人の要件」だということ。時に日本人には、それが足りていないのではと感じました。
世界で通用する「頭のいい人」に誰でもなれる!
たくさんの世界レベルの人たちに出会い、そこから私が得た結論は次の通り。
「『世界で通用する頭のいい人』というのは、ただの秀才ではない」
例えば彼らは、「空気を読まない」「敵を味方にする」「ストレスを自分に与える」など、ちょっと非常識だったり一見大人げないことをしてみたりすることで、周りを自分のペースに巻き込んでいく力を持っています。
実はこうしたことは、彼らのように、優秀な頭脳を持つ人だけにしかできないことではありません。ちょっと練習は必要かもしれませんが、簡単なコツやテクニックで習得できるものです。頭のいい悪いは、関係ありません。少し意識を変えるだけで、誰にでも今日からできることなのです。
さらに、脳を研究してきた端くれとして、彼ら「世界で通用する頭のいい人」がやってきたことが、脳のメカニズムから見ても理にかなっていることをお伝えしたいと思います。
本書で登場する人たちは皆、世界で評価されて優秀な成果を収めてきた人ばかりです。
本書が皆さんの仕事、勉強、そして人生をより楽しんでいくことのお役に立つのであれば、これほど嬉しいことはありません。