会話で大切なのは“目”。視線はどこに向けるべき?/たった1日で会話が弾む! 話し方のコツ大全
公開日:2021/11/3
人と話すときに「自分がつながなくちゃ。話を回さなきゃ」と焦ってしまうことはありませんか? 情報を短く、正確に、わかりやすく伝えるのは難しいもの。普段から口ベタであることを悩んでいる方は「もっと話がうまくなりたい」と思っている人が多いと思います。
元日本テレビのアナウンサーで、現在はフリーアナウンサーとして活躍している著者・青木源太さんも“元”口ベタの1人。そんな彼が、コミュ力が高い人を15年間観察して学んだ“話し方のコツ”を具体的かつ丁寧に紹介します。
必ずしもすぐに身につくものばかりではありませんが、まずは実践。自分の話し方に自信をもてるようになり、話すことがどんどん楽しくなっていくことでしょう。
※本作品は青木源太著の書籍『口ベタな人ほどうまくいく たった1日で会話が弾む! 話し方のコツ大全』から一部抜粋・編集しました
聞き方 話を聞きたい人との会話で場数を踏む
あえて聞くことに徹するのもあり
話が上手になるためには、話し方だけを工夫すればいいかというと、そうではありません。相手の話を聞くということも含めて「会話」だからです。「話し上手は聞き上手」という言葉もありますが、それほど相手の話を「聞く」ということは重要なのです。
言ってしまえば、相手が気持ちよく話せているのなら、何もこちらから話を振る必要はなく、自分は聞くことに徹するだけでもよいのです。
聞き上手になるためのコツとしては、話し方と同じように、とにかく場数を踏むことです。まずは話をする内容に対して前提条件が同じ人の話を聞くのがおすすめです。「前提条件が同じ」というのは、仕事について話をするなら同じくらいの役職の人、同じ業界で働いている人などを指します。自分と相手の知識や背景が違うと、いくら話を聞いていても頭に入ってこず、こちらも適切な相槌や質問を返すことができません。
また、なかでも「話を聞きたい」と思える人と話すのがよいでしょう。興味や関心をもって聞けるので、相手の話を掘り下げるための質問も自然と出てきやすくなります。
episode 前提条件の違う人と話す
テレビ局のアナウンス部というのは人の流入が少ない、少々閉ざされた部署で、そのため、他部署の話はほとんど聞けません。だからこそ僕は他部署の人、つまり前提条件が異なる人と話すようにもしていました。話すというよりは聞きに行くという感じです。こちらは聞き手に回り、相手に自分のフィールドの話をしてもらうのです。そうすると相手も話しやすく、こちらもその話を通じて相手の人となりを知ることができます。加えて、話がおもしろければ自然と質問するようになるので質問力も上がります。
聞き方 ありがとうは相手の目を見て伝える
褒められたら感謝を伝える
褒められたときにどう返したらよいかわからない、うまく返すことができないと思っている人もいるのではないでしょうか。
そんな人にまず心がけてほしいのは、相手の目を見て「ありがとう」と伝えることです。どんな人にとっても、褒められるというのは嬉しいことでしょう。
褒められたら、「ありがとう」「嬉しい」と素直に伝えることで、コミュニケーションを円滑にすることができます。
褒められたときに「私なんて……」と謙遜してしまう人もいるでしょうが、相手からすると「素直に褒めたのに、伝わらなかったのかな」と寂しい気持ちになったり、「悪いことしたかな」と不安を感じたりすることもあります。
相手の好意に対して、まずは「ありがとう」と感謝する姿勢をもつとよいでしょう。
大切なことは目を見て答える
何かを話してもらった際に感謝の気持ちを伝えるには、相手の目をまっすぐに見て答えるのがいちばんの方法です。
相手の目を見るというのはとても大切なことです。アナウンサーがニュースを読んでいるとき、原稿を見ながら話していても、本当に伝えたいことを話すときは自然と顔を上げてカメラを見つめます。カメラの先にいる視聴者の目を見て、呼びかけているのです。
つまり、「あなたの話をしっかりと受け止めています」という気持ちを含め、何かを伝えたいときは、相手の目を見て伝えることがいちばん最善の方法です。
動物は本能的に目を見られると構えてしまうものなので、「相手の目を見ることが苦手だ」「恥ずかしい」と思う人も多いでしょう。
ですが、気持ちをしっかりと伝えたいと思うのであれば、大切な場面では相手の目を見るようにしてください。
聞き方 目線が泳ぐのはNG
視線を外すときのコツ
相手に意識を向ける
伝えたいことがあるときは相手の目を見るとよいとお話ししましたが、長く会話を続けるときに、ずっと相手の目を見ているわけにもいきません。
あまりにもジロジロと見てしまうと、「今話していることのほかに、何か言いたいことがあるのかな?」と思われたり、場合によっては相手を不快にさせてしまうこともあります。会話中は相手に目線を送り続けるのではなく、相手に意識を向け、会話に集中していることが伝わるようにしましょう。
目を合わせなくても、身体の向きを少しでも相手に向けたり、目線を相手の目から少しずらして、おでこや鼻を見るのもよいです。
おすすめは、相手の顔の上半分を見ることです。顔の上半分を見るようにすると、自然に相手との距離をとることができます。
また、上のほうを見ていると、考えているように見えるため、真剣に会話に向き合ってくれているような印象を与えることができます。
顔の上半分あたりを見るようにして、時々目を合わせる程度の距離感が、最も自然に会話ができるでのではないでしょうか。
顔の下半分を見つめるのを避ける
会話の流れのなかでの目線の置き方はとても重要です。いちばんよくないのは、目線が泳いでしまうことです。キョロキョロと周りを見ていると、話に集中していないと受け取られてしまいます。
また、相手の目よりも下、顔の下半分を見てしまうと、相手からは伏し目がちのように見えてしまい、「会話がつまらないのかな?」と思われてしまいます。
時々、相手の顎あたりに目線を置く程度なら構いませんが、長時間、相手の口元を見つめるのは避けたほうがよいでしょう。
聞き方 口角と姿勢を意識して相手に明るい印象を与える
誤解のタネになりやすい、聞いているときの「表情」
前節で、話を聞くときの目線についてお伝えしてきました。加えて大切なのが、話を聞くときの表情と身体全体の姿勢です。
まずは口角を上げることを意識しましょう。話を真剣に聞こうとすればするほど、表情も真顔になりがちですが、相手からすると「あまり話に興味がないのかな」「怒っているのかな」と思われてしまいかねません。
アハハと声を上げて笑ったり、歯を見せる必要はありませんが、口元の筋肉を少しだけ上げるよう意識するだけで、相手からの印象は格段に変わります。特に、人と話をしているときに「本当に聞いているの?」と言われてしまう人は、聞いているときに口角を少しでも上げるようにしましょう。
体幹を鍛えて姿勢を正す
また、身体全体の姿勢にも注意してみてください。
会話が長時間に及ぶと、つい楽な姿勢になろうと背中が丸まってしまう人も多いかと思いますが、猫背はとても暗い印象を与えてしまいます。話の合間に意識して自分の姿勢をピンと正してみましょう。
背筋を伸ばすコツは体幹を鍛えることです。おすすめは、お風呂場で行う体幹エクササイズです。
シャワーを浴びる際に、お風呂場の椅子に座って10~15分ほど姿勢を伸ばしてみましょう。アスリートのようなトレーニングなどは必要なく、それだけで姿勢をよくするのに必要な体幹が鍛えられます。
入浴中は、頭を洗いながら前かがみになって下に置いてあるものを取るなど、姿勢が悪くなりやすい場面でもあります。せっかくのリフレッシュタイムですから、姿勢を悪くするのに費やさず、効率よく体幹を鍛えてみてはいかがでしょうか。