時短を叶えるなら冷凍を極めるべし! 平日から食堂並みの晩ごはんができる「冷凍作りおき」テク【作ってみた】
公開日:2021/11/2
ごはん、みそ汁、主菜、副菜が揃った食堂のような食卓。そんな理想の献立を毎日用意するのは、簡単なことじゃない。
と、思った人はYouTubeチャンネル「食堂あさごはん」で人気の著者がまとめた『「冷凍作りおき」で平日ラクラク! 食堂あさごはんの晩ごはん』(中井エリカ/主婦の友社)を参考にしてみてほしい。冷凍作りおきテクを味方につけると、メインのおかずもあと1品も、ラク~に完成してしまうのだ。
冷凍テクを駆使すれば、15分で品数豊富な献立ができる
まずはこちらの献立を見てほしい。
主菜はオクラの豚肉巻き、ごはんとみそ汁、副菜に旬を味わえるきのこの塩昆布あえまで添えられている。よくある家庭の晩ごはんだが、これをイチから作ろうと思うと、時間も手間も意外とかかる。
でも実際は、本書の冷凍作りおきテクを使って15分足らずで用意したもの。15分なら、忙しい平日でも無理のない範囲で作れるんじゃないだろうか?
下ゆでいらずで巻くだけ簡単! 「ねばねばオクラの肉巻き」(p.88)
まずは主菜から紹介していこう。これは、下味をつけてから冷凍する「下味冷凍」を活用した料理だ。
ガクのかたい部分を取り除いたオクラに豚ロース薄切り肉をくるくると巻き、調味料(みりん、しょうゆ、ゆずこしょう)とともに保存袋に入れて、空気を抜いて口を閉じ、冷凍庫で保存する。
調理するときは、フライパンにサラダ油をひいて凍ったままの肉を並べ、ふたをして弱めの中火で約5分蒸し焼きに。仕上げにふたをとって転がしながら水分を飛ばせば完成だ。
ゆずこしょうの風味とオクラのネバネバした食感がおいしいごはんが進むおかずがサクッと完成。オクラは下ゆでなしでいいから、仕込みも簡単だ。
下味冷凍は、冷凍している間に食材の組織が壊れて調味料がしみこみ、味にぐっと深みが出るというメリットも。本書では鶏の唐揚げや牛丼、豚のしょうが焼き、ハンバーグ、さばのみそ煮といろんな料理で使われている。
食材をムダなく使い切れる! 「きのこの塩昆布あえ」(p.135)「キャベツとかぼちゃのみそ汁」(p.37)
きのこのあえものとみそ汁は、素材のまま冷凍保存した「食材冷凍」を活用。
野菜は安いときに買っておき、使いやすいようにカットして保存袋に入れて冷凍すると、約1カ月持つ。キャベツや小松菜のような葉野菜やきのこ、大根や人参などの根菜も冷凍OK。組み合わせて使うことが多い食材は、ミックスして同じ保存袋に入れておくのもアリだ。
今回の献立に使った食材冷凍が、こちら。かぼちゃは角切り、キャベツはざく切り、きのこは好みのものをミックスして冷凍しておく。
「きのこの塩昆布あえ」の作り方は、冷凍したきのこミックスをレンジで加熱し、塩昆布とごま油であえるだけ。
「キャベツとかぼちゃのみそ汁」は、鍋にだしを入れて火にかけ、凍ったままの野菜を入れて数分煮て、みそを溶き入れる。
冷凍作りおきのおかげで、メイン以外の2品が、ものの5分で完成。素材をカットした状態で保存しておくだけで、こんなに時短につながることに驚いた。食材冷凍を活用すれば、半端野菜をそのまま冷蔵庫に放置してダメにしてしまった…なんて失敗もなく、鮮度をキープしたまま使い切れそうだ。
本書ではこんな冷凍作りおきテクを、素材別にレシピとともに教えてくれる。もうすでに活用しているかもしれないが、完成した料理を冷凍する「完成冷凍」も冷凍作りおきテクの1つ。炒めものや煮物はもちろん、サラダやあえものなどの生野菜を使った料理も冷凍できるので、多めに作って保存しておくと、本当に忙しいときでもあと1品がすぐに用意できる。
管理栄養士の著者が考案したレシピは栄養バランスも◎。「時間はかけたくないけど、家族には健康的な料理を食べさせてあげたい」。そんなわがままな思いを叶えてくれる1冊だ。
文=齋藤久美子