本当に大切なことは心に刻む。デジタルデトックスのすすめ/君か、君以外か。君へ贈るローランドの言葉

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公開日:2021/11/21

コロナ禍で新しい価値観や生活様式など大きな変化が続く時代のなかで、ゆるぎない誰かの「言葉」にそっと浸ってみたいときはありませんか?

今回は、初の著書『俺か、俺以外か。ローランドという生き方』が30万部を超える大ヒットとなった、ROLAND待望の第二弾『君か、君以外か。君へ贈るローランドの言葉』をご紹介します。

「現代ホスト界の帝王」から実業家まで幅広い顔を持つROLAND。発する言葉のすべてが「名言」になる…といわれるポジティブシンキングの秘訣やミニマリストとしての価値観など、「ローランド流」がたくさん詰まった前向きな言葉の数々をお楽しみください!

※本作品はROLAND著の書籍『君か、君以外か。君へ贈るローランドの言葉』から一部抜粋・編集しました

君か、君以外か。君へ贈るローランドの言葉
『君か、君以外か。君へ贈るローランドの言葉』(ROLAND/KADOKAWA)

君か、君以外か。君へ贈るローランドの言葉

君か、君以外か。君へ贈るローランドの言葉

 スマホを置いて行く初めての旅行。その旅行で、次の日に行った観光スポットでは、写真を撮ることなく、ただただ景色を眺めた。

 それは皮肉なことに、今まで写真に撮ってきたどんな景色よりも、鮮明に脳裏に焼きついている。

 

 言われてみれば、緊張してセルフィをお願いし忘れたとあるアーティストとの記憶は、どんな高画質の映像にも負けないぐらい鮮明に覚えていたり、スマホなんて持っていなかった子ども時代の思い出のほうが、ハッキリと思い出せたりする。

 俺は今まで何を見ていたんだろう? いや、見ているようで何も見ていなかったんだ。

 いつか見返せばいいか。そう思って、たいして見返すこともない写真を撮って、いつでも見返せるからと、たいして記憶に刻むこともなく、俺はただなんとなく景色を見ていただけだ。

 

 今、人々は、何かあればすぐにスマホのカメラを向ける。

 ピアニストが路上で演奏する動画がYouTube に上がっていたのだが、観客は皆、あたかもそれがルールかのようにスマホで撮影し、スマホ越しに演奏を見ていた。

 改めて見ると、人々のそんな姿に恐怖すら感じる。

 実際俺も、人前に出ると多くの人にスマホを向けられる。

 もちろんね、気持ちはわかるんだ。少しでも俺を知ってくれているからこそだと思うし、俺だってきっと今でも目の前に孔子やナポレオンが現れたら、「セルフィを撮ってくれ!」とお願いしてしまうだろうからね!(笑)

 でも俺は、1年半前にセルヒオ・ラモスにセルフィをお願いしたことを最後に、誰かにセルフィをお願いすることをやめた。

 本当に大切な瞬間は、映像に残さず心に焼きつけたいから。

 

 もし君が息を呑むほどの絶景を見たとき、大好きな人に会えたときは、その事実があれば十分で、その事実こそが大切なんだ。

 その事実は、データという無機質なものよりも、もっともっと価値があるものだから。

 

 それに、本当に大切なことは忘れない。

 君は、朝起きて、自分の名前や、家族の顔を忘れていたことはあるだろうか?

 歩き方を忘れたことはあるだろうか。

 忘れてしまうのは、君にとってさほど大切ではなかったということだ。

 

 記憶は、一番のミニマリストである。

 どうでもいいものは、勝手に捨ててくれる。

 

 人の名前を覚えられないことを、申し訳ないと思っていた時期もあったが、今は、記憶に刻めない相手がいけないと思って気にしない。俺にとって本当に大切な人ならば、忘れないのだから。

 パソコンやスマホのデータの容量は、日に日に大容量化している。

 どうでもいいものをしまっておくガラクタケースは、日々大きくなっているんだ。

 実にくだらない。俺は、そう思っている。

 自分の記憶に残るものだけを大切に生きていく。そんな生き方も悪くない。

 この本が、そんな貴方の記憶に残ってくれたら幸いだ。

<第7回に続く>

▶ROLANDさんインタビュー記事はこちら
前編:https://develop.ddnavi.com/interview/814389/a/
後編:https://develop.ddnavi.com/interview/814396/a/