「母性」に自信ゼロな姉と子育て中の妹――飯窪春菜×日菜といろセキララ姉妹対談!/飯窪春菜の「かわいげがなくてごめんね!」⑨特別編
更新日:2023/2/7
今回は飯窪春菜さんの妹・日菜といろさんとの対談をお届け!
「立場が違うと見えないことがたくさんある」と気づいた飯窪春菜さん(前回コラム参照)ですが、妹の日菜さんはシングルマザーとして子育て中。出産や子育てをめぐって立場の違う仲良し姉妹のお二人に、セキララにトークしていただきました。
――お子さんはおいくつですか?
日菜(ヒナ) 今年3歳になる女の子で、めちゃめちゃイヤイヤ期なんです。「これ買って」とか「保育園行かない」とか「ごはん食べたくない」とか駅で「いや~!!」と30分くらい泣き続けるとか。
飯窪(ハル) でもヒナは叱ったあと「叱ってごめんね」ってハグするよね。尊敬しかないな。そんな愛情もてる自信ない。
日菜 ハルも産んだら変わるんじゃないかな?
飯窪 確証もてないじゃん! ヒナは妊娠がわかったとき、診察室から出てきた瞬間に大泣きしてたよね。「すごく小さいけど、子どもがいる、産みたいって思った」って。
日菜 そうそう。「うわぁ生きてる!」ってなった。
飯窪 その姿には感動した、でも私自身が妊娠してるかもって状況なったら、もしかすると産まない選択肢を思い浮かべちゃうんじゃないか……ってくらい、自分に母性が芽生えると思えなくて。
日菜 私だって芽生えるとは思わなかったよ。でも子どもが動いているのを見た瞬間、「あ、やばい」って。うまく言葉で表せないんだけど、すごく感動しちゃって、絶対育てようって。
飯窪 それで今、そうやって娘に愛情をそそいでるの、尊敬しかないよ!
■赤ちゃんの「体液」が苦手!?
飯窪 猫でもそうなの。飼っている子のことは本当にかわいいんだけど――たとえば目やにとか手で取ってあげる人っているじゃない? 私は素手では難しい……。
日菜 ハルって確かにそうだよね。うちの娘のよだれとかも「出てる!出てる!」って(笑)。
飯窪 汗とかもなんだけど、赤ちゃんであっても人間の体液じゃんって思っちゃう。ヒナは友達の子どもでもへっちゃらでしょ。
日菜 うん。吐かれても全然。ノープロブレム。
飯窪 だよね。私は赤ちゃんだけじゃないのよ。大好きな相手でも汗とかよだれに抵抗があって……。他の人が自分以外の生き物に愛情をむけているのを目の当たりにすると、私は同じことできないって思う……。みんなで鍋つついたりするのは抵抗ないんだけどな。赤ちゃんを産みたいって人が「赤ちゃんの体液苦手」とか言ってるの、聞いたことないよね。
日菜 でも「産むなら無痛分娩がいい」とか、出産についてけっこう深めに考えてたよね。そこは、私が産んでから考えが変わったの?
飯窪 無痛分娩も痛みはあるって知って、また遠のいたけど……。あの子がヒナに無償の愛をそそいでる姿を見て、「そんなに愛し合う存在ができるってすごい!」って思ったの。二人きりのときとか、すごくヒナに甘えてるよね。
日菜 甘々だね。ごはんとか、もう一人で食べられるんだけど「ママ、あーんして」みたいな。
飯窪 私なら「自分で食べれるでしょ!」って言っちゃうなあ。ヒナってば叱ろうとしたときも、ふてくされてる顔見て笑っちゃうもんね。かわいさに負けて。
日菜 うん。ハルがいるときはハルが叱ってくれるね(笑)。
飯窪 「ママ、そんな怒ってないな」ってわかってるんだろうね。でも私には通用しないってこともわかってる(笑)。
■「好き」を信じきれない
日菜 ハルは愛のありかたがドライというか、人と違う感性をもってるよね。
飯窪 みんなのことが好きなんだけど、どこか信じ切れていないというか……。むかし実家で飼ってた猫いるじゃない? 私に無償の愛をそそいでくれていて本当にかわいかった。あの子が死んじゃったのが、ものすごく悲しくて。ああ、思い出して泣けてきた……。いつかやってくる別れを考えちゃって、それが無理というのもある。友達もなんだよね。すごく好きでも、依存しちゃうと、離れたときにきつくなるなって。
――だから好きという感情の昂ぶりをセーブしておこう、と。
飯窪 ファンの方に対してもそうなんです。「応援してる」と言ってもらえても、いつか心変わりしちゃうんじゃないかって。でも、それが今年、少し変わって。2年前のバースデーイベントで「はるなんはもっと自分を好きになってほしい。私たちの言葉を信じてほしい」って言ってくれた方が、今もファンでいてくれているってわかって、「ああ、信じられるのかも」ってやっと思えるようになってきた。
日菜 今年……! 私はわりとすぐ信じちゃうな。「いつか離れてっちゃうんじゃないか」って考えるのは女性ホルモンが乱れてる週の、夜中くらい。それ以外は「ありがとう~私も好き~」ってなっちゃう。
飯窪 私も人のことはすぐ信用するし、好き!ってなるけど、どこかブレーキをかけちゃうんだよね。いなくなってしまうかもしれない存在や、変わってしまうかもしれない気持ちに対して、ちょっと冷めたスタンスになっちゃう。
■「母一人、子一人」の生活は、すごく楽しい!
飯窪 子育てとなると少し事情は違うんだろうだけど、「家族」で考えると、ますます難しいかも。だってパートナーの気持ちも変わるかもしれないじゃない? うちは親が離婚しているのもあって、円満な家庭に憧れてはいるんだけど。でもヒナのところは、母と子が無償の愛を与え合う唯一無二の存在って感じで――完璧な関係だよね。
日菜 シングルマザーってすごく大変でしょうって心配してくれる人はたくさんいるんだけど、実は子一人、親一人の生活は今、すごく楽しくて。もちろんサポートしてくれる人が周りにいるのが前提なんだけど。友達の話を聞いてると、パートナーに対するストレスがない分、ストレスフリーで子育てできているなって思う。パートナーがいると、相手にうまく頼れないストレスとかもあるだろうし。
飯窪 「なんでコレやってくれないんだろう!」とか思っちゃうだろうな~。私は許容範囲が狭いから、子どもを愛する分、パートナーに対しては平等のをそそげなくなりそう。
――飯窪さんには今日、出産と子育てめぐるモヤモヤをセキララにお話しいただきましたが……こういう気持ちを素直に話せる人が家族にいるって素敵ですね。
日菜 うちは「明るい複雑」な家庭なので、楽しく日々を過ごしていられればいいかなって精神で生きてきたんです。
飯窪 自由だよね、そこは。
日菜 ハルがもし子育てをすることになって、しんどくなったら、うちにおいでよ。
飯窪 ありがと。ヒナだったら私の子も、自分の子みたい愛してくれそうだね(笑)!