北守さいか「男の子っぽい役も演じながらヒロイン声優を目指したい」【声優図鑑】
公開日:2021/11/22
キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチニュースの恒例企画『声優図鑑』。第273回目に登場するのは、TVアニメ『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』の鷺沼梨子役や、TVアニメ『月が導く異世界道中』のラニーナ役を演じる北守さいかさん。
ヒロイン声優への憧れが生まれた学生の頃のエピソードや、大好きな動物とふれあう休日の過ごし方などを聞きました!
小学校の頃から歌うのが好きでした
——声優にはどんなきっかけで興味を持ったんですか?
北守:声優が好きな友だちができたことですね。もともとアニメが好きでたくさん観ていましたが、声優のことを全然知らなかったので、その子からたくさん教えてもらいました。
——アニメ好きだったんですね。よく観ていたアニメは?
北守:釘宮理恵さんや田村ゆかりさんが出ているアニメをよく観ていました。声優に着目しながらアニメを観るようになってからは、『中二病でも恋がしたい!』が好きでした。小鳥遊六花ちゃんを演じる内田真礼さんの演技がすごく可愛くて、もともと声真似が好きだったので、真似したりしながら。
——では、小さい頃はどんな子どもでしたか?
北守:あまのじゃくで、親から言われたことの逆をしたくなるようなタイプでした。お母さんの言うことをあんまり素直に聞いてあげられない子でしたね。それと、すごく好奇心旺盛で、自分でなんでもトライするほうでした。家の近くに山があったので、ひとりで思い立って探検に行ったり、かと思えば、家でパソコンをいじっていたり。外で遊ぶのも、おうちの中で遊ぶのも好きでした。
——パソコンではどんなことを?
北守:チャットに参加したり、当時はアバターで遊んだりすることが流行っていたので、小学生ながら課金して衣装を買ったりしていました。ネット上でいろんな人たちとコミュニケーションを取るのが楽しくて。
——大人っぽいですね(笑)。その頃から、自由に使えるパソコンがあったということですか?
北守:ありました。親が寝ている場所にあって私しか使っていなかったんですが、夜更かししながらカチャカチャと動かしていたので、たまに「うるさい」って怒られたりして(笑)。親は「自分のことは自分でやりなさい」「責任は自分でとりなさい」というタイプで、特に厳しい規制もなく、小さい頃から自由にさせてもらえたのはありがたかったですね。
——学生時代に夢中になっていたことはありますか?
北守:中学生の頃は、仲のいい友だちが陸上部に入るということで私も入ったんですけど、部活で毎日遊んでいました(笑)。部活のあとにそのまま一緒に帰って、友だちの家で遊んだりとか。今もそうですが、友だちと一緒にいるのが好きなほうで。高校になったら軽音楽部で歌ったり、楽器を始めてみたりしながら、将来のことを考えるようになりました。
——そんな中で、表現の世界に興味を持っていったんですね。
北守:表現に携わる仕事がしたいとか、海や魚がすごく好きなので水族館の飼育員さんになりたいなど、いくつか夢があって。その中でも、小学生の頃から歌うことがすごく好きで、歌にまつわるお仕事をしたいなって思っていたんです。宇多田ヒカルさんやアニソンを歌っているようなアーティストの方が好きで。アニメで言うと『灼眼のシャナ』とか、川田まみさんの曲をよく聴いていました。
元気な役は演じる前においしいものを食べます
——声優としてデビューしてから、慣れないアフレコ収録で驚いたり緊張したりすることはありましたか?
北守:すごく覚えているのは『彼女、お借りします』という作品で、スタジオに入る時間を間違えてしまったこと。まだ右も左もわからないような時期だったので、少し前に入って見学をしていたんです。だから、収録時間には間に合いましたが見学の時間に遅れてしまって…。遅れたことで、その日の収録ではめちゃくちゃ緊張してしまいました。
——『白い砂のアクアトープ』は、水族館の飼育員に憧れていた北守さんならではの作品ですね。
北守:私が演じた知念類ちゃんはお魚にくわしいキャラクターだったので、奇跡のような出会いだなと。今までにないくらいセリフの量が多くて、ちゃんと言えるかな、噛まずに言えるかな…って緊張の連続でした。
——『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』ではキャラソンにも参加を。子どもの頃から憧れた歌に挑戦していかがでしたか?
北守:嬉しかったですね。ただ、鷺沼梨子として歌うとなった時に、キャラクターによって歌詞の解釈が違ってくることを、今回は学べたと思います。たとえば主題歌の『ファイオー・ファイト!』には、アイスホッケーってマイナーなスポーツだけど、誰かがなんとか盛り上げてくれるだろうっていう願いがこめられた歌詞があるんですけど、それってマイナスにも取れる感情で。他のメンバーはしんみり歌っていたりもしますが、梨子ならプラス思考で歌うんだろうな、と解釈して。元気よく歌ってみたら「いいね」って言ってもらえて、嬉しかったです。
——梨子役や、TVアニメ『月が導く異世界道中』のラニーナ役などは、ちょっと男の子っぽい役が多い印象ですが、ご自分ではどう感じていますか?
北守:自分には可愛らしい声が合うのかと思っていたんですけど、路線変更をしてみたら意外とはまったみたいで。ラニーナ役はオーディションではなく選んでいただいた役だし、『いいへやラビットTV』で演じているいいへやラビットくんも男の子のうさぎなんです。男の子のような役も大切にしながら、いつかは可愛らしい役で、ヒロイン役を演じるのが夢です。
——ご自分の性格と照らし合わせると、演じやすいのはどんな役?
北守:ボーイッシュな子は外で元気に遊ぶようなイメージがあると思うので、自分と似ている部分があって演じやすさがあるんですが、なにしろ元気なので、マイク前に立つ前にテンションを上げておかないと…。だから、コンビニでもなんでもいいので、おいしいものを探して食べておきます(笑)。家に買ってある海外のお菓子や、クリームが包まれているようなクレープを買って食べたりして、元気に演じるようにしています。
将来の目標はヒロイン声優になること
——お休みの日はどのように過ごしていますか?
北守:疲れて寝ている時もあるんですが、余裕がある時はゲームをしたり、動物がすごく好きなので、動物の動画を探して観たりしますね。もともとハムスターが好きで、小学校の低学年から常に飼ってました。今飼っているのはチンチラ。家の中で散歩させることを“部屋んぽ”っていうんですけど、部屋んぽで運動不足を解消させたりします。お魚は、淡水魚を飼ったことがあるので、今度は海水魚に挑戦してみたいですね。
——1級小型船舶操縦免許とダイビングライセンスを所持しているところにも、海や魚への愛情を感じますね。
北守:ダイビングは、資格をとったものの、実際に行く機会がなかなかなくて。時間ができたら、沖縄の離島とか、最終的にはお魚の種類が多い海外のほうにも行ってみたいですね。目の前で見てみたいのは、メガネモチウオ。ナポレオンフィッシュっというとわかる方もいると思います。
——では、これからどんな声優になっていきたいですか?
北守:一番目指したいのはやっぱり、釘宮理恵さんや田村ゆかりさんのようなヒロイン声優。歌うのが好きなので、アニメのオープニング曲やエンディング曲を歌うような声優アーティストとして活動するのも夢です。雨宮天さんや東山奈央さんの曲が好きで、みなさん歌が上手でかわいいので参考になります。
——最後に、読者へのメッセージをお願いします。
北守:これからいろいろなキャラクターに挑戦していきたいので、いろんな私の姿を見ていただけたら嬉しいです。これから、みなさんに会える機会も増やしていきたいので、その時はぜひ会いにきてください♪
——北守さん、ありがとうございました!
次回の「声優図鑑」をお楽しみに!
北守さいか
◆撮影協力
撮影=山本哲也、取材・文=吉田あき、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト」