自ら学ぶ子に育つ「モンテッソーリ教育」がパパママに注目されているわけ
更新日:2022/6/30
子どもの教育法やメソッドには、いろいろなものがある。特に歴史が長く、文化の発展も早かったヨーロッパの教育法は世界中に伝わり、日本もその教えを参考にする教育機関が多くある。例をあげるとキリがないが、代表的なものでは「シュタイナー教育」「モンテッソーリ教育」、最近では「イエナプラン教育」が話題となり、公立小学校で取り入れるところがあるとニュースになった。
「モンテッソーリ教育」をはじめたマリア・モンテッソーリが生まれたのは1870年。イタリア初の女性医師となったマリア・モンテッソーリが、1907年に“子どもが自立して生活をする環境”=「子どもの家」を作ったのが、モンテッソーリ教育のはじまりだ。教育学をかじったことのある人なら、誰もが知っている「モンテッソーリ教育」は、今から100年以上前からある教育法。それが、現在、子育て真っ最中のパパママたちから注目されているという。ネット検索すると、教室紹介から体験談ブログまで、数えきれないほどのページがある。話題のきっかけになったのは、将棋の藤井聡太棋士をはじめ、今や世界の経済の中心ともいえるシリコンバレー系企業の創業者たちが、のきなみ「モンテッソーリ教育」を受けてきたと伝えられたから。つまり、「モンテッソーリ教育」は、古くて新しい教育になっているのだ。
モンテッソーリ教育の保育園や幼稚園などで、10年以上保育者として働いてきたモンテッソーリアン(モンテッソーリ教師)の北川真理子さんは、現在はSNSやオンラインサロンでモンテッソーリ教育の魅力を伝える。自身も2児の母で、下の子は2021年秋に生まれたばかりで乳幼児の子育て真っ最中。モンテッソーリ教育を行う園や学校が日本に増えることを願うが、まだまだ数が少ないので、家庭でできる「おうちモンテッソーリ」を提唱している。
北川さんの著書『いちばんていねいな はじめてのおうちモンテッソーリ』(KADOKAWA)には、0歳の頃から、いや、その前の妊娠中からはじめられる「おうちモンテッソーリ」のコツがまとめられている。「モンテッソーリ教育」を受けて育った子ども達の共通点は、常に自分から学び、成長し続ける「自己教育力」を持つことだという。子どもが主体的に意欲的に、そして協同的に学ぶことは、「21世紀型教育」として現在の日本の教育界が掲げるプランだが、「モンテッソーリ教育」は100年以上も前から、そのモデルともいえる教育法を実践してきているのだ。
「モンテッソーリ教育」では、子どもが伸びる適切な時期、特定のことに対して感受性が高くなる時期のことを「敏感期」という。子どもが自然に日本語を話せるようになるように、敏感期には何の苦もなく、いろいろな力を習得するという。子どもの発達を示すものには「デンバーの発達表」などがあるが、この本には「年齢別・やってみようリスト」があり、敏感期に合わせた子どもに体験させたいことが示されている。それは特別なことでなく、日常の暮らしの中にあるものがほとんどだ。子どものためにどこかの教室を探さなければと思う前に、まずはおうちでこのリストにあることを実践するとよいだろう。
【著者プロフィール】
北川真理子
合同会社コソダチ代表、国際モンテッソーリ協会0-3歳/3-6歳ディプロマ、国際モンテッソーリ協会認知症ケアワーカー、幼稚園教諭、保育士。モンテッソーリの幼稚園や保育園などで10年以上にわたって勤務した後、第1子妊娠中にInstagramで「モンテッソーリアンまりこ」としてモンテッソーリ教育に関する情報発信をスタート。現在はモンテッソーリ教育を学べるオンラインサロン「子育ての学校」の運営も行う。2児の母。
Instagram:@montessorian.mariko