「メイクが苦手」「好きな色が似合わない」でもう悩まない!人気ビューティライターAYANAの私の満たし方
公開日:2021/11/26
大人になるにつれ、自分が感じた「好き」の気持ちを堂々と口にできなくなっていく気がすると感じたことがある人は多いはず。
かわいいワンピースを目にしても「年齢的に厳しいからやめておこう」と自分に言い訳し、思ってもいない「それいいね」を周囲に合わせて口に出す機会が増えるたび、偽物の「好き」で自分という人間が形成されていくように思えてしまう。
そんな大人女子に、本当の自分を取り戻すきっかけを授けてくれるのが『「美しい」のものさし』(AYANA/双葉社)。著者のAYANAさんはビューティライターとして活躍する傍ら、スキンケアブランド「OSAJI」のメイクアップコレクションのディレクターも務めている。AYANAさんが書く文章は「彼女が書いたコスメは必ず売れる」と女性誌編集者から大絶賛されるほどだ。
本書では「人」「外見」「趣味」「時間」「コンプレックス」をテーマに、様々な美しさに対する持論を公開。
さらに、人生を変えたスキンケアやメイクアイテム、漫画、レシピ本などもコラムで紹介。
AYANAさんが生きる指針としてきた、大切なことや好きなものが知れるエッセイ集となっている。
無理せず自分らしくいられるメイクを
キレイになりたいけど、メイクは苦手…という人は意外に多いように思う。今の時代はYouTubeなどで様々なメイク術を見ることができるからこそ、何が正解なのか悩んでしまうこともあるだろう。
そんな方に刺さるのが、「メイクにたったひとつの正解はない」と語るAYANAさんの言葉。
“肌の色や瞳の色との相性、年齢との相性、流行など、正解を示唆する情報は色々とありますし、それらはもちろん参考にできるものですが、「これじゃなきゃ絶対にダメ」はないのです。”
そのため、似合うアイテムを探す時は何かのものさしを自分に合わせるより、まずはどんな人になりたいか、どんなものが好きかを第一に考えてほしいとアドバイス。
AYANAさんはメイクアップアーティストのフランソワ・ナーズさんの「メイクは洗ったら落ちてしまうもの。たかがメイクなんだから楽しもうよ」という言葉を用い、たったひとつの絶対的なメイクを探すより、色々なメイクにトライし、楽しんでほしいと世の女性の背中を押す。
“メイクはフルフルでやろうとすると工程が多いですが、全部やる必要はまったくありません。マストなのはUVケアのみで、あとは完全に自由。(中略)無理をしないで、自分らしくいられる顔ってどんなものかを、まずは探ってみることが大切です。”(引用/P43)
何通りもの自分の顔があってもいい。一番大切なのはメイクをしている自分のことが好きかどうか。そう語るAYANAさんの価値観に触れると、今よりもっと楽しく自分の顔と向き合うことができそうだ。
「似合わない好きな色」は自分に引き寄せて似合う色に
近ごろは、インターネットのパーソナルカラー診断で自分に似合う色が手軽に知れる。それゆえ、好きな色が似合わないことを知り、暗い気持ちになってしまったことがある人は多いのでは? だが、そんなあるあるな悩みは色を自分に引き寄せれば解決できる。
色を身に着ける時、一番大切なのはどんなムードを纏いたいと思っているか、また目指したいと思っているかに自覚的になること。そう話すAYANAさんは希望を明確にして身に着ける色を割り出し、それを自分に似合わせるためのツールとしてパーソナルカラーのような診断結果を活用しようとアドバイス。
好む色や身に着けたい色が診断結果に含まれていなくても諦めるのではなく、どうアレンジし、自分に引き寄せて似合わせるかを考えてみてほしいと語る。
“青みのある赤リップをバシッとつけたいけれど、顔的には黄みのあるブラウンが似合うということであれば、ベースをブラウンで作って赤のグロスを上に重ねるとか。レイヤード次第で色々と楽しめるのが色の面白いところです。”
考え方の転換とほんの少しの工夫でどの色も自分のものにできるのだと知ると、諦めていた色に積極的にチャレンジしたくなる。
AYANAさんは美容以外にも流行との付き合い方やコンプレックスの乗り越え方など、心をデトックスできるエッセイを多数発信している。自身も「私なんて」と思い悩んだ時期があったからこそ、同じような心境で苦しむ人に対し、熱いメッセージを送ってもいる。
自分の外見と内面の両方を見つめ直したくなる本書は、「こんな私も悪くない」と言えなくなった大人女子にこそ響く。
文=古川諭香