僕と新横浜/永塚拓馬です。

アニメ

公開日:2021/12/1

デビュー以来、人気作・話題作に多数出演する声優・永塚拓馬さん。多趣味で好奇心旺盛、興味のあることは突き詰めていく。「1日が100時間あればいいのに……」そう語る永塚さんが日々の中で、何を感じ、思っているのか。学生時代からデビュー、声優の仕事、アーティストデビューなど、現在までを綴ってもらいます。

永塚拓馬
撮影:永塚拓馬

 海を見て大きいと感じる人、青いと感じる人、涼しそうだと感じる人、怖いと感じる人。

 人によって同じものに触れても感じるものが違うように、人それぞれの価値観、物差しは全く違うものだと、社会に出て沢山の人と触れ合うことで、よく感じるようになりました。

 それは今まで生きてきた中での経験。とりわけ思春期の生活が強く影響を与えていると思います。僕にとって、その物差しが形作られたのは、きっと高校時代に過ごした新横浜です。

 前回、愛猫(ちぃ)についても書かせていただきましたが、ちぃと一番長く過ごしたのもこの場所です。新横浜の家は三階建ての一軒家で、一階は主に客間。三階は両親。ということで、空いている二階は僕とちぃだけで占領している形でした。

 その前まではマンションに家族で住んでいたので、家族とフロアが違う。テレビも台所もお風呂もトイレも顔を合わせなくて済んでしまう。それだけで、半分一人暮らしのような気分になれました。そういった環境の変化も手伝ってか、僕はより一人の世界へとのめり込むようになります。

 新横浜は新幹線が止まる駅。横浜アリーナや日産スタジアムの最寄り駅ということで、割と栄えた場所です(自分が住んでいた場所は駅を挟んで東側。こちらは意外と畑や古い家屋が多く。西側との差が凄かったのですが……)。

 当然のように本屋もCDショップもあって、そこで本や漫画、CDを買い込んではその世界にどっぷりと浸かるという毎日を過ごしていました。昼間は家に引きこもり本を読み、夜になるとイヤホンを着けて日産スタジアムへと向かいます。日産スタジアムは周辺に野球場、テニスコート、サッカーフィールド等々、広大な土地に様々なグラウンドがあるのですが、何も開発されていない草地もあったりして、試合やライブがない日の夜はほとんど誰も立ち寄らない。

 広大な土地に、人気のない巨大建築物。そこには近未来的な美しさがあって、イヤホンでMy Bloody Valentineを流しながら夜空を眺め、非日常の世界へと自分を運んでいました。

 こういった日々のなかで、徐々に自分の中での感性や嗜好が形作られていったのかなと思います。もしこの時自分が新横浜ではなく、例えば、那覇とか津軽に住んでいたら。全く違う自分になっていたのかな。同じものを見ても違う感覚を得るようになっていたのかな。そう考えると面白いです。

永塚 拓馬(ながつか たくま)
神奈川県出身。10月4日生まれ。趣味は音楽・映画・舞台鑑賞、読書、紅茶、料理、ピアノ、ギター、ダンス、旅行、美術館巡り等々。主な出演作品は『KING OF PRISM byPrettyRhythm』西園寺レオ役、『アイドルマスターSideM』冬美旬役、『ヴィジュアルプリズン』ヴーヴ・エリザベス役、『SK∞エスケーエイト』MIYA役、『遊☆戯☆王SEVENS』安立ヨシオなど、ほか多数で、ラジオ・テレビなどにも出演する。2021年10月6日(水)にアーティストデビューとともに、1st mini album『dance with me』をリリース。

Twitter:@takumanagatsuka

音楽STAFF公式Twitter:@staff_nagatsuka

Youtube:永塚拓馬 Official Music Channel